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プロダンスリーグ「D.LEAGUE」を生み出したフルキャスト創業者 忘れられない“3つの決断”会社を大きくするということ(4/6 ページ)

» 2022年09月05日 05時00分 公開
[武田信晃ITmedia]

「初心忘るべからず」

――経営する上で「座右の銘」はありますか? マネジメントをする上で気を付けていることは?

 3月に「渋沢栄一 感動の言葉と現代経営者の座右の言葉展」に出させてもらったのですが、「初心忘るべからず」です。

 私が創業して35年がたちます。最初の思いや自分の情熱は、会社が大きくなるにつれ、または年齢を重ねるにつれて薄れてしまうときがあります。だからこそ、常に創業時の気持ちを忘れずに取り組んでいこうと思っています。そうすれば、おごらず謙虚に経営ができるはずです。

――フルキャストでもDリーグでも、大勢の人を動かしていくのは簡単なことではないですね。

 みんなの力を最大限に発揮させることが重要ですね。会社が小さいときに大事なのは、リーダーシップによって率先して社員を引っ張っていくこと。一方、会社が大きくなればなるほど大切になるのが、理念や方向性を明示することです。

 マネジメントも重要です。総力を結集するために、機能、評価などに注力して、いかに働きやすい環境を整備できるかがトップの仕事になっていきます。そして自分自身も、会社の成長と共に変わっていかないとダメですね。主人公が、自分から現場の従業員に変わっていく。そういう組織に変えていくことが重要です。

――創業から上場まで指揮し、成功できた理由を、自分ではどのように分析していますか?

 成功した人は皆さん、「自分は運がいい」と発言すると思います。私は運に加えて、人にも恵まれたことが大きいと思っています。

 自分は、そうは思っていないのですが、他の人から言わせると「(平野は)天然なところがある」らしいのです(笑)。嫌みを言われても鈍感なので受け流したり、失敗して怒られても、勝手に前向きに捉えたりしています。

photo SEGA SAMMY LUX
photo LIFULL ALT-RHYTHM

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