――音楽ライブに行くと、アイドルを中心にアーティストは踊っています。音楽とダンスは切り離せない訳ですが、かといってあくまで歌が主であって、ダンスはメインにはなり切れていない現実があります。なぜでしょうか?
今まではダンスだけで独立して見せるのは厳しいところがあったと思います。ダンサーが有名アーティストの曲を使って踊ることもありますが、著作権の問題でそのパフォーマンスを売り出すことはできません。
そこでDリーグは、ダンスをメインとしつつも、全チームに制作協力金という形で支援金を送り、オリジナルで曲を作ってもらっています。著作権はDリーグが有しています。
専属の振付師も各チームにほぼ常駐していまして、その振り付けにも著作権があります。協力金の金額によってDリーグ側が全ての著作権を有する場合と、半分の場合に分かれます。いずれにせよ歌を作ることに関しては、われわれがサポートする態勢を取っています。
作詞作曲をしている人、振り付けをしている人、プロのダンサーを1つのセットとして、コンテンツを届けるのが次の展開だと考えています。
――オリジナル曲の売れ行きはいかがですか?
オリコンのヒットチャートに曲が入ってくるようになりました。海外では2021年10月に「MONOLIZ Season 2 edit」という曲が、香港のiTunesで2位にランクインしました。台湾でも上位に曲が入るようになってきています。
リーグ戦で踊るのは8人です。チーム所属の人数は最大で20人となっています。EXILE HIROさん率いるLDH JAPAN(東京都目黒区)、そしてダンスシーンと協力して、Dリーガーの中からスターを作っていこうと思っています。
――プロである以上、選手は大きく稼いでいきたいと考えているはずです。少なくとも、ダンスだけ、Dリーグだけで生計が成り立っている状況なのでしょうか?
生計は成り立っていると考えています。選手にも監督にも最低年俸が決まっています。高校生Dリーガーは7、8人いて、彼らにも最低年俸は支払っているのでアルバイトをするよりも明らかに稼げます。
シーズン中は特に忙しいですからアルバイトをする人もいないでしょう。今後はDリーグとして大きくしていって、選手に支払う金額を大きくできればと考えています。
Dリーグは曲に関して著作権を保有しています。これは各チームが著作権を保有すると、Dリーグとして展開したいのに足並みがそろわないケースがあるからです。その代わりに、Dリーグは収益から一定の割合を各チームに配分することにしています。
Dリーグを大きくすることが各チームにとってメリットであるという共同事業的なところもあります。さらに各チームに別なスポンサーが付く形を取っています。この辺は、プロ野球やJリーグなどを研究しました。
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