「レジごみ袋」の企画・制作は日野市と明星大学が担当。イオンリテールが「レジごみ袋」の販売を担い、産官学連携で取り組んでいる。「レジごみ袋」のデザインと販促用のポップは、明星大学デザイン部の学生が立案した。
袋のデザインを担当した学生は「袋には日野市の花・木である菊とかしの葉をあしらい、袋の中身が見えないようにしました。『可燃』の文字をローマ字にすることで“ごみ袋っぽさ”を軽減し、レジ袋として使用する際の抵抗感を減らすよう心掛けています」と話す。
「レジごみ袋」は1枚20円で販売する。通常のレジ袋は大サイズ5円、中サイズ3円で販売しており、並んでいると「少し高いのでは?」と感じてしまう。そのため、ポップの伝え方も工夫した。
「レジ袋で20円と聞くと割高に感じてしまうため、『通常の指定ごみ袋と同一価格であること』を強調しました。また、『マイバッグとして使った後はごみ袋に』というキャッチコピーを目立たせることで、利便性をアピールしました」(ポップを担当した学生)
9月1日にイオンスタイル多摩平の森を訪れた際、買い物客が学生に声をかけ、購入している姿を目にした。地域の学生がデザインをしたということがPRにもつながっているようだ。
プロジェクトに参加した学生たちは、「自分たちが作りたいものをデザインするのではなく、企業の視点でアドバイスをもらい、ターゲットを想定したデザイン学ぶことができた」など、企業・行政と協業することで学びが深まったとコメントした。
イオンリテールは実証実験に向けて「多くのお客さまが来店するショッピングセンターの機能をフル活用し、啓発活動の一助を担っていく」と意気込む。
環境省の「令和2年11月レジ袋使用状況に関するWEB調査」によると、レジ袋の辞退率は、有料化前(20年3月)が31%だったのに対し、20年11月には72%に上昇している。
今までは「レジ袋購入」「マイバッグ持参」の2択だったが、「ごみ袋をレジ袋に」という新しい選択肢を提供することで、利用者の利便性を高めるだけでなく環境負荷の軽減にもつながる。イオンリテールは「今後もマイバッグやマイバスケット持参の推進に加えて、お客さまの1つの選択肢として、行政と連携しながら指定ごみ袋の販売も進めていきます」とコメントした。
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