もし、アドバイスのつもりで言っていることや普段の言動の中に、意識せずこのようなキーワードが紛れ込んでいる心当たりがあれば要注意である。
昔と今とでは、社会情勢も景気も仕事の密度も、全ての背景事情が違う。変えられない前提条件を出しても意味がない。
そう言えるのは、本当に相手のためになるか否かを判断できるくらい、相手のライフプランやキャリアプランまでをも熟知できている、信頼関係が強固な場合だけだ。そうでなければ、「相手のため」という都合の良い大義名分をもって、相手をコントロールしようとしているにすぎない。
上記と同じく、相手の将来を心配している風を装いながら、「俺の言うことを聞け」とマウンティングしていることと同義である。本当に相手のためを思い、成長を願っているのなら、そんな脅迫的な言い方はしない。
確かに個人的にそのような実体験があったのかもしれないが、だからといって「今現在の苦労」に対する解決策になっていなければ意味がない。単に希望的観測を述べるだけで、相手が現在おちいっている苦境にまつわる訴えを押さえつけようとしているだけだ。
指摘自体は事実なのかもしれないが、相手が今抱えている苦悩や葛藤、焦燥といったネガティブな感情に対して向き合っておらず、解消もできていない。
年齢差や経験差によるマウンティングの一種のようにも感じられ、うっすら見下されているようにも捉えられてしまうだろう。
相手の言い分を十分に傾聴しないまま、否定的なニュアンスからアドバイスを始めてしまうことで、「この人は私の話を全く聞いてくれず、自分の言いたいことを言って終わりだ」と感じさせてしまう。
いずれも、一つ一つはささいなことかもしれないが、その積み重ねで、気付かないうちに相手に不快感や不信感を抱かせてしまい、あなた自身の信用までも毀損(きそん)してしまっているリスクがある。しかも、相手はあなたに面と向かって指摘できる人であるとは限らない。自分で意識し、改善を続けていくしかないのだ。
「『求められないアドバイスはするな!』『アレを言うな!』『コレを言うな!』というけれど、業務上どうしてもアドバイスする必要が出てきたら、どうすればいいんだ!?」──とお嘆きの方に対しては、「コミュニケーションサイクル」を意識して助言することをお勧めしている。
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