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絶対に言ってはいけない、部下へのNGアドバイス働き方の「今」を知る(6/6 ページ)

» 2022年09月29日 07時00分 公開
[新田龍ITmedia]
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(5)投げかけ

 最後に行うのは「投げかけ」だ。(4)の意見までで終えてもよいのだが、意見に対してさらに相手の見解も確認することによって、丁寧さの最後の一押しとなる。

NG反応

「○○だろう!? だからこうすべきなんだよ!」

 

こちらを口グセに!

「……というのが私の意見なんだけど、それについてはどう思う? 懸念や疑問はないかな?」

 せっかくここまで丁寧に進めてきたにもかかわらず、最後にあなたの自己主張で終わらせてしまうと、部下は「上司の言うことだから仕方ない……」とストレスをため込んでしまう可能性がある。

 自分の意見を述べた後「それに対する相手の意見を再度聴く」という「投げかけ」をすることで、相手もさらに納得して意見を言いやすくなり、お互いの心理的距離とコミュニケーションの密度が高まる効果が見込めるのだ。

 もちろん、日々多忙なビジネスの現場において、いちいちここまで時間をかけてヒアリングするのは手間もかかるし、第一面倒であろう。しかし、だからこそ他に実践している人はほぼいないし、あなたが「話を丁寧に聞いてくれる上司」として大いに差別化できる点にもなるはずだ。

 そうして相談相手としてのあなたの評判が高まれば、その姿勢は他の人たちにも波及し、職場全体が「上司や先輩に気兼ねなく意見を言える、心理的安全性の高い雰囲気」になることも期待できよう。ぜひ今日から、かつできる所から、一歩踏み出していただきたい。

著者プロフィール・新田龍(にったりょう)

働き方改革総合研究所株式会社 代表取締役/ブラック企業アナリスト

早稲田大学卒業後、複数の上場企業で事業企画、営業管理職、コンサルタント、人事採用担当職などを歴任。2007年、働き方改革総合研究所株式会社設立。労働環境改善による企業価値向上のコンサルティングと、ブラック企業/ブラック社員にまつわるトラブル解決サポート、レピュテーション改善支援を手掛ける。またTV、新聞など各種メディアでもコメント。

著書に「ワタミの失敗〜『善意の会社』がブラック企業と呼ばれた構造」(KADOKAWA)、「問題社員の正しい辞めさせ方」(リチェンジ)他多数。最新刊「クラウゼヴィッツの『戦争論』に学ぶビジネスの戦略」(青春出版社)


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