仕事は言うまでもなく生活の糧です。しかし働く人にとってそれは同時に、自己実現の場でもあり、社会とのつながりの場、承認欲求を満たす場でもあります。
そして人事評価は、会社が働く人に発する最も強力なメッセージです。評価にエラーがあるということは、会社が働く人に誤ったメッセージを送ることになり、それはモチベーションやエンゲージメントに大きな悪影響を与え、強い不満の火種ともなります。
人事評価に関する不満には「この評価は公平ではない」という思いがあります。公平感には「結果の公平」と「手続きの公平」の2つがあり、結果の公平は決定した賃金や人事評価結果が、手続きの公平は決定までのプロセス・方法がそれぞれ不満の対象になります。
従業員は自分の人事評価結果に納得がいかないなど、結果の公平が損なわれていると感じると、今度はその評価がどのような基準・手続きで決められているかという手続きの公平に関心を持ち始めます。
もしそこにも納得感がないと、一気に不満が高まります。逆に、ここがそれなりのものになっていれば、完全とまではいかなくても、ある程度の納得は得られます。
また、2つの公平感のうち、「結果の公平」を万人に対して保証することは、まず不可能です。その点は「手続きの公平」も同様なのですが、こちらは、会社のやり方や努力次第で修正が可能です。
ある意味、人事制度というのは、この結果の公平を目指した不断の営みと言えます。目指す姿ではありますが、達成は前述の通りなかなか難しいです。その点から、もう一つの「手続きの公平」が人事制度運用で重要な要素となってくるのです。
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