面接時の説明と違う職種に配属 アウトではないのか?Q&A 社労士に聞く、現場のギモン(1/2 ページ)

» 2022年10月18日 05時15分 公開
[卯城恒生ITmedia]

連載:Q&A 社労士に聞く、現場のギモン

働き方に対する現場の疑問を、社労士がQ&A形式で回答します。

Q: 新たに営業職として従業員を採用しましたが、中途採用で業界の経験が浅いため、研修も兼ねてカスタマーサポートに配属をしました。顧客からの問い合わせに対応してから営業職に就いてもらおうとの思いがあったのですが、本人から「希望した職種ではなく、採用時の説明と異なる」「こんなの聞いていない」と抗議の声が上がっています。どのような対応が正しいのでしょうか。

法律上NGではないのか? 社労士が解説

 採用活動では事前に一定の労働条件を提示して、会社も入社を希望する人もお互いに自身の希望を伝えた上で、会社としてその人を採用するか否か、従業員としてその会社に入社するか否かを決めることになります。

 採用面接の際、会社側は採用の最終候補者に対する期待を高め、採用予定者に対して十分に労働条件が伝わっていると思い込んで必要な情報を伝え漏らしてしまうことがあります。入社希望者も自分の希望した業務に就くことによって新しい環境で自分を試せるのだと舞い上がってしまいかねません。このようにして、お互い良いところばかりを見て面接を通過し、入社してしまうのです。

 いざ働いてみて「あれ、何か違うぞ?」ということにならないためにも、採用面接で労働条件を提示するときには、できる限り内容を具体的に明確に示して、認識の違いをなくしていく必要があります。

photo 「こんなの聞いていない」と抗議の声 法律上NGではないのか?(画像はイメージです。提供:ゲッティイメージズ)

どう規定されているのか?

 そもそも労働基準法第15条では労働条件の明示という項目があり、そこでは「使用者が労働者を採用するときは、賃金、労働時間その他の労働条件を書面などで明示しなければならない」と定められています。そのうち、労働契約の期間、働く場所や業務の内容、労働時間・休憩・休日、給与の支払い時期や計算方法、その他退職に関する事項については、特に書面で交付する必要があります。

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