ジャニーズに激震が走るのは、今回が初めてことのではない。16年に国民的アイドルグループSMAPの解散、中居正広さんなどメンバーの相次ぐ退所を皮切りに、カリスマ社長だったジャニー氏が亡くなったことが拍車をかけて、山下智久さん、長瀬智也さんなど“屋台骨”が次々と事務所を去った。
そう聞くと、「中堅や若手の離職が止まらないなんて、なんだかウチの会社みたいだな」と自虐ネタにする人も多いかもしれないが、その見方は案外、的を射ている。
これまで会社に多大な貢献をしてきた40代や30代も続々と去って、後継者と目されていた逸材や、ついには有望な20代まで逃げるようにやめていく――。多くの日本企業で見られるこの問題は、ジャニーズ事務所で起きている「ドミノ退所」と基本的な構図は同じだ。
それは一言で言ってしまうと、「経営が盤石な同族企業の“現状維持”路線に危機感を抱いて、新しいことに挑戦したい若手・中堅が去っていく」という構図だ。
いまさら説明するまでもなく、株式会社ジャニーズ事務所は、日本を代表するエンタメ企業で、「ジャニーズ帝国」と呼ばれるほどテレビ、映画、スポーツ新聞などに圧倒的な影響がある。所属タレントのパワーも絶大で、「信長まつり」で岐阜を盛り上げた木村拓哉さんをはじめ、多くのタレントが歌番組やドラマ、バラエティーを席巻している。
経営も盤石で、本業以外にも「ジャニーズ事務所が所有する不動産 資産価値は500億円超か」(週刊ポスト 2019年7月12日号)と報じられているように、東京グローブ座など都内に多くの優良不動産を持っている。
だが、そんな「ジャニーズ帝国」に対して、近年は「現状維持」が指摘されていた。
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