アットフローズンは計画比の約2倍の売り上げと反響を得ているものの、すぐに店舗拡大は考えていないという。
「あくまで実験的な店舗という位置付けであり、何もかもが売れているわけでもありません。しっかり検証することが先決です。とはいえ、外食価格が上がってきているなかで、手ごろでおいしい冷食の需要が落ちることは考えづらい。1000円を超える商品でも、外食と比較すればだいぶ安く抑えられますから。1店舗で終わらせたくないとは思っています」(青木氏)
1店舗目で確実な成功パターンを見つけてから、着実に伸ばそうという姿勢だ。今後の戦略として、青木氏は「季節感のある売場づくり」を挙げた。
「10月はハロウィーン向けのコーナーを設けて、その後はクリスマスやお正月向けの商品展開をします。従来の冷食売場は季節感がほとんどなく、メーカーが新商品を出す春・秋のタイミングに商品が入れ替わる程度でした。アットフローズンは季節感を大事にして短いサイクルで商品を入れ替え、飽きられない工夫をしていきます」(青木氏)
引き続き、有名店など他社ブランドの商品を探っていくそうだが、自社ブランドのバリエーションを増やす努力もしている。例えば、皮を向いたバナナの冷凍。近年、バナナが値上がりして買いづらくなっているが、ヨーグルトやスムージーに少しだけ使いたい人はいるはず。そこで冷凍にトライしているが、どうしても茶色く変色してしまうそうだ。
「しらたきやこんにゃくなども鍋料理に少し使いたいときに便利かなと思いますが、水分が多すぎるので現状は冷凍できません。しかし、5年後、10年後にはできるようになるだろうという希望があります」(青木氏)
冷食の確かな進化を感じられたアットフローズン。店舗の知名度が上がってきているのか、取材時、売場を撮影している外国人の姿も見られた。あらゆる食品が冷凍で買える時代は、そう遠くない未来にやってくるのかもしれない。
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