ツイッター3700人、メタ1.1万人 海外IT企業で進む人員整理 国内エンジニアバブルへの影響は?古田拓也「今更聞けないお金とビジネス」(3/3 ページ)

» 2022年11月11日 06時00分 公開
[古田拓也ITmedia]
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 GAFAやツイッターといったテック企業や、その動きに追随する企業から流出した人材が労働市場に流れてくれば、未経験エンジニアの高待遇を支えていた大きな要因の一つである労働市場の逼迫が解消され、単価の減少ないしは就労機会の減少といった影響が今後発生していく懸念がある。

 ただし、一部の人材にとっては、従来の売り手市場から買い手市場へと転換することにメリットがある。買い手市場では、実力や経験を積み上げてきた者がしっかりと評価されることとなるため、これまでの売り手有利な、緩慢な労働市場でも研鑚を怠らなかった者が妥当に評価される余地を生み出すこととなるだろう。

 現在、喫緊の課題であるデジタル化を前に猫の手も借りたい状態となり、「エンジニアであれば誰でもいい」というレベルで人材不足を嘆く企業も少なくないかもしれない。しかし、足元の経済の不確実性を踏まえると、今後は求職者の経験やスキルを重視して「この人にエンジニアを担当してもらいたい」といった吟味を丁寧に行っていくことが求められそうだ。

筆者プロフィール:古田拓也 カンバンクラウドCFO

1級FP技能士・FP技能士センター正会員。中央大学卒業後、フィンテックベンチャーにて証券会社の設立や事業会社向けサービス構築を手がけたのち、2022年4月に広告枠のマーケットプレイスを展開するカンバンクラウド株式会社を設立。CFOとしてビジネスモデル構築や財務等を手がける。Twitterはこちら


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