「体感ツアーを通じてファンになってもらうためには、その行程にどれだけブランドに対する共感ポイントを盛り込めるかが重要」と話すのは、販売企画部の望月裕太部長。体感ツアーには、白州工場見学やシャトレーゼホテル にらさきの森での宿泊に加え、シャトレーゼ ベルフォーレ ワイナリーでのワインテイスティング会、こだわりの原材料を使った菓子作り体験、季節のフルーツの契約農園体験など、これでもかというほど共感ポイントを盛り込んでいる。
体感ツアー参加者の多くは、シャトレーゼが展開するポイントサービス「カシポ」の会員だ。100円につき1ポイントがたまり、会員は現金の代わりに1000ポイントを利用し体感ツアーに参加できる。
参加者の約3分の1はこうしたポイント利用での参加だが、1000ポイントためるには10万円以上の商品購入が必要だ。それだけ熱量の高いファンが多いと分かる。
望月部長によれば「体感ツアー参加前後で比較すると、シャトレーゼへの来店頻度が2倍から3倍に増える」とのこと。「体感ツアー後のアンケートでは、満足度について10点満点中10点を付ける参加者がほとんど。『以前よりシャトレーゼが好きになった』『原材料へのこだわりがよく分かった』といったコメントも数多く頂いている」(望月部長)
体感ツアーには参加者の生の声を聞き出そうという狙いもあり、開発中の新商品を試食してもらうこともある。参加者からすれば「自分も商品開発に関わった」という意識が生まれ、シャトレーゼに対するエンゲージメントはさらに高まる。
ブランド認知度向上から、ブランド理解度向上へと進化したシャトレーゼの体感ツアー。熱心なファンを増やすことで売り上げを伸ばし、店舗を増やす。店舗が増えることがさらなるファンの獲得につながる。シャトレーゼの施策には好循環を生み出す仕組みがあるのだ。
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