マーケティング・シンカ論
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» 2022年12月22日 08時00分 公開

「オンラインだけではAmazonに勝てない」 セブンがアプリで広告を配信する狙いリアル店舗の強みを生かす(2/4 ページ)

[大村果歩ITmedia]

広告×クーポン 購買までをサポート

 同社は3月から、セブンアプリで広告の配信を開始した。アプリトップページでのバナー広告とセブン店舗で使用できるクーポンを組み合わせ、「商品認知」「購買」の両軸でアプローチする。クライアントからは、広告料と、販促に関する支援金などを受け取り、セブンでの商品購買への貢献も見込む。

 「マーケティングのファネル(消費者が商品を認知、購入するまでの段階)のうち、『認知』『購買』の2つをカバーしています。バナー広告で商品を知ってもらい、クーポンの獲得で販促にも生かす、という仕組みです」(杉浦さん)

リテール バナー広告とクーポンの活用

 これまでに飲料メーカー、ビールメーカー、大手菓子メーカーと組んで広告を配信してきた。メーカー側の要望として多いのは(1)新商品発売に際し、トライアルをしたい、(2)リピートにつなげたい、の2点だ。

 (1)では、購入してほしいターゲットが明確に定まっているため、セブンが持つデータと照らし合わせてターゲティングをし、広告を配信する。ターゲットに絞って配信することで広告費用を抑えることができる。

 (2)では主にクーポンを活用。広告配信と組み合わせたり、過去に商品を購入した人にクーポンを配信して再購入を促したり、ユーザーの状態に合わせてやり方はさまざま変えているという。また、値引き額も調整。例えば、購入から時間がたっているユーザーに対しては、思い切って半額クーポンを配布するなどして、緩急をつけた販促を行う。

 「例えばお茶の広告を配信する場合、全くお茶に興味がないであろう層には広告を配信しません。日々お茶を購入している人、競合の商品を購入している人を狙って広告を配信し、お客さまにとっても不自然ではない状態を作ることを意識しています。

 メーカーさまは、『何が、どれくらい売れたか』ということは分かっても、『誰に、どのタイミングで買われたか』という情報を取得することは難しいのが現状です。ターゲットに広告を配信することで、認知や購買がどのように変化するのか検証したいという声を多くいただきますね」(杉浦さん)

リテール 実際に過去に配信した広告

 効果測定も実施する。「誰が、何時に、どんな買い合わせで買った」という情報や、トライアルの状況、リピーター獲得の状況を細かくフィードバックしている。杉浦さんは「多くの人からの認知獲得のみを目的にするならば、テレビCMのほうがよっぽど効果的。セブン‐イレブンのリテールメディアは、認知から購買まで一連の動きを見れるのが強みです」と話す。

 「最初はパッケージを作って販売していましたが、現状は一社一社の課題に合わせてチューニングし、個社対応をしています。マーケティング全般のお悩みを相談していただき、どのような情報を獲得すべきか熟考し、施策を行っていますね」(杉浦さん)

リテール クーポンのイメージ

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