理系学生の内定率約3倍に──大学3年冬の内定率調査を4年分比較して分かったこと選考の早期化進む(1/2 ページ)

» 2023年01月19日 07時00分 公開
[樋口隆充ITmedia]

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 新卒学生向けサービス「あさがくナビ」などを手掛ける学情が2024年卒業予定の新卒学生向けの内定率速報を発表し、22年末時点の内定率が17.8%となったことが分かった。文理別では理系の内定率が21.3%となり、文系の16.2%を上回った。4年分の内定率調査を比較すると、全体的に企業の選考が早期化しており、理系に至っては内定率が約3倍になっている。

photo 就活生のイメージ(提供:ゲッティイメージズ)

 同社は24年3月卒業(修了)予定の大学生・大学院生を対象に調査を行い、412件の回答を得た。11月末時点の内定率(8.7%)から全体で9.2ポイント増加した。業種別の内定率トップは「IT ・ソフトウェア・インターネット」で24.4%。「教育・福祉・その他サービス」が16.3%で2位、「情報・調査・コンサルティング」が15.2%で3位となった。

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 就活生全体の12月時点の内定率は過去3年で最多。学情が公式Webサイトで公開している21卒〜23卒対象の調査(いずれも12月末時点)によると、21卒は10.0%、22卒は10.1%、23卒は14.6%。3年で7.8ポイント増えていた。

 文理別では21卒文系が11.4%、理系が7.8%。22卒は文系10.7%、理系8.8%、23卒は文系15.3%、理系13.4%だった。過去3年は文系の内定率が常に理系を上回っていたが、24卒調査で、理系内定率が初めて文系を上回ったことも判明。理系は3年で内定率が約2.7倍に増加している。いずれの調査でも、業種別の内定率トップ3の顔ぶれに変化はなかった。

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 政府が経済団体に要請した方針では、3月1日以降が「広報活動開始」、6月1日以降が「採用選考活動開始」となっているが、すでに2割近い内定率が出ていることから、企業の採用選考は早期化しているようだ。

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