採用直結型インターンシップの解禁で「3月の広報活動開始、6月選考開始」という建前がますます形骸化していく。就活ルールの見直しはこれまで何度となく繰り返されてきた。
採用選考時期をめぐる協定は古くは1929年から始まり、戦後は53年に当時の文部省・労働省および大学団体と日経連による「就職問題懇談会」を結成、卒業年度の10月1日以降を選考開始とする「就職協定」が結ばれることになった。
だが、高度成長期の人材獲得競争の激化で協定破りが横行。60年代初期には7月末には大手企業の多くが採用活動を終了する「青田買い」が常態化し、60年代中盤以降は大学3年の2〜3月に内定を出す企業も登場し、“早苗買い”“種モミ買い”とも呼ばれた。
その度に就職協定の日程が何度も改定され、2003年には経団連が「倫理憲章」を制定。賛同者に署名を求める形で05年卒の学生から適用されたが、それでもルール破りの企業がなくなることはなかった。
就職協定がなくなり現行の政府の指針の3月広報解禁、6月選考解禁もインターンシップ選考によって機能しなくなった。
そして今回の政府の方針変更によって、実施的に就活ルールなき時代に入ったといえる。
溝上憲文(みぞうえ のりふみ)
ジャーナリスト。1958年生まれ。明治大学政治経済学部卒業。月刊誌、週刊誌記者などを経て独立。新聞、雑誌などで経営、人事、雇用、賃金、年金問題を中心テーマとして活躍。『非情の常時リストラ』で日本労働ペンクラブ賞受賞。
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