新幹線の自動運転 JR東日本、JR西日本、JR東海の考え方の違い杉山淳一の「週刊鉄道経済」(1/7 ページ)

» 2023年05月26日 12時47分 公開
[杉山淳一ITmedia]

 2023年5月9日、JR東日本とJR西日本は連名で「新幹線の自動運転について技術協力します」と発表した。奇しくも翌日、5月10日の深夜から未明にかけて、JR東海が自動運転の報道公開と試乗会を開催した。

 JR東日本とJR西日本は20年代末にGoA4、30年代中頃にGoA3を導入予定。JR東海はGoA2を28年度から導入する予定だ。ゴールと考え方は違うけれども、技術に共通点がありそうだ。

JR西日本、北陸新幹線W7系電車(著者撮影)
JR東海、N700S・確認試験車(著者撮影)

 国土交通省は鉄道分野の自動運転について、GoA(Grade of Automation、自動化段階)の0〜4を定義している。これは国際電気標準会議(IEC、International Electrotechnical Commission、電気及び電子技術分野の国際規格の作成を行う国際標準化機関)の定義を元にしており、日本は0〜4の5段階に加えて、独自に2.5を定義した6段階を採用している。

 ちなみに国土交通省は鉄道、自動車、航空、船舶などの交通モードで自動運転の実態を調査検討している。このうち自動車と鉄道、航空(空飛ぶクルマ)については、安全面から自動運転レベルを定義した。船舶についても国際ルール策定に向けて議論をしているところだ。

GoAの定義。JR東日本とJR西日本はGoA3、GoA4を導入。JR東海は一足早くGoA2を導入予定(出典:国土交通省、鉄道における自動運転技術検討会のとりまとめ(概要)
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