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半導体ビジネスでの優位性は? 昭和電工と日立化成が統合した「レゾナック」戦略トップに聞く強い会社の作り方(1/3 ページ)

» 2023年06月02日 08時30分 公開
[中西享ITmedia]

 電気自動車(EV)へのシフトに伴い、EVなどに多く使われるSiC(シリコン・カーバイト、炭化ケイ素)パワー半導体の需要が増えている。

 英調査会社オムディアによれば、パワー半導体の市場規模は2025年、243億米ドル(3兆3737億円、6月2日現在)まで膨らみ、その後も右肩上がりが続く。

 そのSiCパワー半導体の製造に欠かせない部品「SiCエピタキシャルウエハー」の分野で世界的に高いシェアを保有しているのが「レゾナック・ホールディングス」だ。同社の独自の開発力には、世界の企業が熱い視線を注いでいる。

 トヨタ自動車はレクサス初のEV「RZ」を発売。そのインバーターにSiCパワー半導体を搭載したが、これにはレゾナックのエピウエハーを採用した。

 レゾナックの22年12月期通期(1〜12月)の売上高は1兆3926億円と1兆円を超えている。同社は半導体・電子材料をコア成長事業とする経営方針を打ち出し、経営資源を集中的に投資。半導体・電子材料の比率を売上高の約45%まで引き上げる計画を発表している。

 前編【EVシフトでパワー半導体に熱視線 “売上1兆円超”レゾナックCSOに聞く展望】に続き、ルネサスエレクトロニクスで執行役員を務めた経験を持つ、レゾナックの真岡朋光CSO(最高戦略責任者)にその戦略を聞いた。

photo 真岡朋光(まおか・ともみつ)1974年生まれ。99年にA.T.カーニーに入社。2010年に同社インダストリアル&マルチマーケット事業本部長、11年にレノボ・ジャパンに転職、13年4月同社コマーシャルオペレーションズディレクター、13年12月ルネサスエレクトロニクスに転職、15年に同社執行役員、19年執行役員兼生産本部副本部長。特に中国での事業と、自動車分野の半導体事業の拡大に大きく貢献した。21年10月に昭和電工(当時)に転職、22年3月取締役、常務執行役員、23年1月からレゾナック・ホールディングス取締役、常務執行役員、最高戦略責任者兼レゾナック取締役 、CSO。三重県出身(アイティメディア今野大一撮影)

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