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『ラブライブ!』切符が1分で完売 “お堅い”JR東海がアニメに活路を見いだした理由新たなビジネスモデル構築へ(1/3 ページ)

» 2023年06月15日 08時00分 公開
[河嶌太郎ITmedia]

 JR東海がエンタメを用いた観光戦略に活路を見いだしている。同社は2021年11月から、自分の好きなアイドルやキャラクターなどを応援する「推し旅アップデート」キャンペーンを展開中だ。当初はアイドルグループとのコラボや、動物園の「象主」になれるプランが注目を集めていた。それが23年に入ってからは特にアニメやゲームとのコラボを仕掛けている。

 3月25日から8月31日にかけて、静岡県沼津市を主な舞台とした人気アニメ『ラブライブ!サンシャイン!!』とタイアップし、「沼津ゲキ推しキャンペーン」を展開中だ。JR沼津駅を中心に多くのイベントを実施している。

 中でも目玉としたのが、6月18日(日)に運行予定の臨時列車「ラブライブ!サンシャイン!!」号だ。全席指定で、当初は6両300人で切符の販売を始めたところ、1分たたずに完売。そこで同日に3両150人で増発したところ、こちらも即完売となった。一部はオークションサイトなどにも出品されており、1530円の切符が10倍以上の値段で取引されるほどの状況だ。

 こうした展開は、これまでビジネス旅客を中心に商売してきたJR東海からすれば異色の取り組みといえる。なぜJR東海がエンタメコラボ商品に舵を切っているのか。その背景にはコロナ禍で赤字となり新たなビジネスモデル構築を迫られた背景があった。

 「推し旅アップデート」の担当者に、『ラブライブ!』とコラボした経緯を聞く。

JR東海営業本部の出川ゆかりさん

コロナ禍の大赤字で危機感 観光需要を喚起

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