今回、両試合のより詳しい情報を載せる特設サイトは、Jリーグ側ではなくドコモ側のサイトに置いた。通常ならJリーグ側のサイトに置かれるのが常識だ。だが今回は違う。そこにはこんな狙いがある。
「今回はドコモが主体となってプロモーションをしたいとJリーグ側に提案し、理解してもらいました。ドコモはdポイントクラブ会員約9600万人の顧客基盤から得られる豊富な行動データを持っていますし、『dmenuスポーツ』というスポーツ情報に特化した配信サイトを有しています。ドコモの資産を活用した方が、海外サッカーに関心のある人たちや、Jリーグに関心のある方に広くアプローチできると考えました。
チケット販売前のティーザー期間では、チケット販売開始日やキャンペーン情報などをお知らせするボタンを特設サイト内に設計し、関心の高い方に情報解禁の都度、最新の情報を届けられました」(小島氏)
23年9月現在、JリーグIDの登録者数は360万人で、dアカウントの33分の1だ。Jリーグが、日本人口の約75%をカバーするID登録者数を誇るドコモに期待したことは容易に想像がつく。
さらにドコモは、決済データ、位置情報、家族構成など細かな生活者データを分析できる。過去にドコモが取ったデータと、Jリーグ側が持っているデータとを比較した際に、異なる点が出てきたという。
例えば、Jリーグ側で実施した観戦者調査では、回答者のスタジアム来場回数は4〜6回という回答の人が多かった。ところが、ドコモが取得できるスタジアム来場位置情報を基にアンケートを取ると、回答者のうち来場回数が1〜2回の人が相当数いたのだという。この違いはどこから来るのか。
「実はJリーグさんのヒアリングは、試合当日のスタジアムで、試合開始2時間前に実施していました。来場回数が少ないお客さまはスタジアムの楽しみ方をまだ知らない方も多いので、試合開始の直前に来られる方が多い。つまりJリーグさんの調査は、結果的に『熱心なファン』がアンケート対象者の多くを占めた可能性が考えられます」(鈴木課長)
こうした点からも、ドコモのリソースを有効活用することによって、今後のJリーグの事業戦略、マーケティング戦略により良い効果を与えられるはずだ。
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