こういう特異なレイアウトゆえに、ボディスタイルを眺めても、エンジンがどこにあるか分からない形をしている。かろうじてフロントタイヤからAピラーの間が長いので、そこにエンジンがありそうな造形ではあるが、なにしろエンジンが入っているとは思えないほどフロントフードが低い。ボディ前半を見るとミッドシップらしくもあり、リヤセクションを見るとFRっぽい。従来になかったスタイルである。
リヤガラスの形状は歴代のRX-7を思わせる。一方ボディサイドの凹面は、第7世代マツダ魂動デザインの流れを汲むもの
加えて、シザースドアの採用によって、ドア前端の見切り線が大きく斜めに傾いていることもあって、従来のようにフロントホイールハウスからドア見切り線の間の長さ感でFRと見極めることも難しいので、かなり正体不明なスタイルになっている。
スーパーカーに先例が多いシザースドアの採用で、存在感を示す。こうしたスポーツカーで課題となるサイドシルの高さは、Xバックボーンフレームの採用で解決されている
全体としてはロータス・エリーゼのようでもあり、ジネッタG4を思い起こさせる部分もあり、しかしながらそのどれとも違う。ただそこはかとなく英国スポーツカーをモダンにした雰囲気がある。オーセンティックではあるがレトロではない。
マツダはまだあくまでもコンセプトカーとしかいわないので、当然価格も見えてこないのだが、おそらくは今回の発表によって、世の中の期待は否応にも高まるだろう。その流れによって市販化へ向かうものと筆者は見ている。一応予想しておくと500万円台後半ではないかと思う。
- 復活のロータリー 「ROTARY-EV」で、マツダは何をつくったのか
今回登場した「MX-30 ROTARY-EV e-SKYACTIV R-EV」 を端的に説明すれば、メカニズム的には2021年に発売された「MX-30 EV MODEL」のモーター/発電機と同軸に、発電専用ワンローターロータリーエンジンを追加したものだ。
- ロードスター990S 7年越しの回答
マツダのアイコンともいえるロードスター。マツダにとってはもちろんのこと、世界中のファンにとっても特別なクルマだ。2015年にデビューしたそのNDロードスターが大きく進化した。すでに評判はお聞き及びのことと思う。もはやちょっとしたお祭り騒ぎと言っても良い高評価である。一体何がどう変わったのか?
- マツダ初の「MX-30 EV」 姿を現したフルスペックのGVC
マツダMX-30にEVモデルが追加された。これがいろんな意味で非常に面白いクルマだったので考察してみたい。「これこそがマツダのEVへの回答」と受け止める向きもいるかもしれないが、それは半分だけ正解で半分は不正解だ。
- マツダのEVは何が新しいのか?(前編)
東京モーターショーの見どころの1つは、マツダ初のEVであるMX-30だ。クルマの生産から廃棄までの全過程を通して見たときのCO2負荷を精査した結果、35.5kWhというどこよりも小さいバッテリーを搭載した。世の中の流れに逆らって、とことん真面目なEVを追求した結果出来上がったのがMX-30だ。
- MAZDA3 一番上のエンジンと一番下のエンジン
MAZDA3のことはすでに書き尽くした感もあるのだが、国内仕様の試乗会に行ってみたら思わぬ伏兵が待っていた。今回の試乗会の主役はXだったはずなのに、いきなり予定調和が崩れる。SKYACTIV-G 1.5を積んだクルマが素晴らしかったからだ。箱根で行われた試乗会では、乗る人乗る人に「1.5良いねぇ」と言われまくったマツダの人達は、極めて複雑な表情だった。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.