すでに退職した人が交換した名刺が、年間1億円の取引につながるきっかけとなった――創業130年を超える老舗酒造メーカー、梅乃宿酒造(奈良県葛城市)で実際に起きた事例だ。
同社がコロナ禍の打撃を受け、商品の販売経路や販売方法の見直しに迫られ、Sansanを導入したのが2022年。そこからどのように1億円の取引につながったのか。梅乃宿酒造の課長、吉見晃宏氏はSansan主催のイベントで詳細を話した。
梅乃宿酒造は、明治26年に創業した奈良県の老舗酒造メーカーだ。「酒米の王」ともいわれる山田錦を100%使用した「葛城 純米大吟醸」や、厳選した果実や果汁などをふんだんに使用した日本酒リキュール「梅乃宿あらごし」シリーズなどで知られる。
高齢化や人口減少による日本酒製造・出荷量の減少を受け、02年に日本酒仕込みの梅酒を発売したところ好評を博した。07年には上述の「あらごしシリーズ」を展開。順調に売り上げを伸ばしてきた。しかしコロナ禍の影響が表れ始めた19年度後半から売り上げは大きく減少し、販路と販売方法の見直しに迫られた。
中途入社した吉見課長は、それまで社員個人がそれぞれバインダーにとじて管理していた名刺に注目した。これをデジタル化し、名刺交換から得られた人脈を組織的に管理できるようになれば、現状の課題を打開できるのではないかと考えた。
社長に直談判した当初は「名刺は現状通り、バインダーで管理すればよいのでは? 費用対効果は出せるのか」と言われたが「絶対に売り上げが上がります」と言い切り、導入を決めたそうだ。
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