NISA口座も好調だ。1月末時点でNISA口座は524万口座、うち新NISA口座は476万口座に達した。20代と30代で52.7%と過半が若年層、さらに女性が54.4%と、従来の証券会社が苦手としていた層をうまく取り込んだ。
積立額も増加している。23年12月には、前年の1.5倍となる1547億円まで全体の設定が伸びた。さらに新NISAがスタートした24年1月には、前年対比で75%増加し、1773億円まで設定額が急増している。
その中身を見ると、旧NISAのつみたてNISAは年間40万円が上限だったが、新NISAではつみたて投資枠が年間120万円に拡大した効果により、これまでの平均2.4万円から4万円にアップした。
「旧NISAの設定のまま3万3333円のままの人が最も多いが、次に多いのは10万円、その次が5万円だ」(楠氏)
投資先の内訳で興味深いのは、投資先のうち63.3%が何らかの外国資産だということだ。
NISA全体の約6割を占める投資信託に限れば、外国商品に投資する商品が95%に至っている。「外国資産への投資ウエイトが旧NISAよりも上がっている。特にオールカントリー(MSCI ACWI連動)とS&P500に集中している」(楠氏)
楽天証券は子会社の楽天投信投資顧問で、コストを最安値に引き下げた「楽天・オールカントリー」と「楽天・S&P500」を猛プッシュしている。しかし現在のところ楽天証券内のNISA取引銘柄ランキングでは、トップの「eMAXIS Slim全世界株式(オルカン)」と「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」の牙城は崩せていない。
新NISAで購入されている銘柄ランキング。「楽天・オールカントリー」と「楽天・S&P500」は3位と4位に付け、楽天証券内では大人気だ。しかしそれでもeMAXIS Slimの牙城は崩せていない(楽天証券決算資料より)また3月に法令が変わり5万円から10万円に月間上限投資額が拡大される見込みのクレジットカード積立についても、対応を明言した。金額が増加してもポイント還元率はそのまま維持。また楽天カードで10万円、楽天キャッシュで5万円の総額15万円の投資を可能にするという。
「(クレカ積立の上限額が)10万円まで上がるのは、クレカ積立が投資の普及手段であると当局が判断した結果なので、しっかり受け止めて活用していく」(楠氏)
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