紹介した2つのサービスはネコ好きの気持ちを理解・読解したことで生まれ、ヒットにつながりました。筆者は仕事柄「どうやってユーザーの気持ちを理解したらいいか」といった質問をいただくことがとても多いものの、極論すれば「自分以外の人の気持ちを理解することなどできない」と考えています。大切なのは理解しようと努力することであり、理解するためにどんなことができるかを考えることです。
消費者心理を理解するために、ユーザー調査を実施する企業も増えてきましたが、言葉によるミスリードや、気持ちを理解した“つもり”になる現象が起きやすくなっています。また、クライアントやユーザーだけでなく、小売店やプラットフォームの利益にも目を向けることが重要です。意識しなければ見えてこないステークホルダーについても丁寧に洗い出し、それぞれの立場で気持ちをくみ取ることで、信頼関係は強まります。その中でユーザーを巻き込む形になれば、結果的にサービスの成長は一気に加速します。
動物との会話は非言語コミュニケーションで成り立っています。われわれ人間は、しっぽの揺れや姿勢やひげの状態などから、動物の気持ちを察して会話をしています。ひょっとすると動物たちの気持ちを理解しようとすることが、人の気持ちを理解することにつながるかもしれません。
特にネコは人にも見えていないものが見えるのか、何もないところをじーっと見つめていることがよくあります。目に見えているものだけに捉われず、その先にある真実に目を向けようと日々心がけてみるのも、深い示唆や新しいアイデアの発見に近づく第一歩なのではないでしょうか。
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