伊右衛門といえば、本木雅弘さんが出演するテレビCMを長年放映していたが、今回のリニューアルに合わせてテレビCMの内容も大きく刷新した。新CMでは新たに堺雅人さん、古川琴音さんを起用している。
「今回の大きな変更は視点を動かしたこと。今までのCMは作り手の物語でしたが、新CMは飲み手側に視点を移しています。
CM内の『正直、お茶とかどうでもよくて』という堺雅人さんの言葉こそが、お客さまの普通の声だと思っています。『当社はお客さまがお茶なんてどうでもいいと思っていることは分かっています。分かったうえで、びっくりさせますよ』というメッセージを表現しています」
リニューアル後の伊右衛門の販売数は好調だ。24年2〜3月の出荷実績は、対前年同期比で2桁%増だった。利用者からも「確かに濃い、うまいね」と反響だ。
三宅さんは「高校生が新しい伊右衛門を飲んで『これ濃い! うまっ!』と言っているのを見て、ちゃんと伝わっているのだとうれしい気持ちになりました」とほほ笑む。
出だしは好調だが、各社リニューアルが相次いでいる今、油断はできない。パッケージの変更などは店頭で一目見ただけで違いが分かるが、伊右衛門は顧客に飲んでもらわないとその違いや魅力が伝わらない。
「一目見て分かる違いの方が、初速は早いものです。伊右衛門は初速ではなく、1年後の数字を意識しています。
味で勝負するからには、まずは飲んでもらわなければいけません。そのために、全社一丸となって圧倒的な店頭を作ったり、『一度は飲んでいただきたい』と書いたサンプリング専用のペットボトルを配布したり、さまざま取り組んでいます。
どこかのタイミングで飲んでもらい、『確かに伊右衛門うまいな』と思ってもらえたら、お客さまはなかなか離れないと思うんです。きっと、じわじわ効いてくると考えています」
「NB緑茶市場は厳しい状況が続いているため、今年も前年を割ってしまうと予想しています。まずは、リニューアル後の伊右衛門は、前年を上回るトレンドで販売していきたいですね」(三宅さん)
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