遠香氏: 目標を立てるときには、その目標を1年後に達成しているイメージがわくかどうかを大事にしています。
先ほど例にあげた「全国制覇を狙えるのに、ベスト8入賞を目標に掲げてきた」場合なら、まずは「ベスト8を狙えるチームは、どんなチームか」をイメージしてもらいます。そのうえで、今の自分たちに足りないものを考えてもらう。もし、現時点で足りないものがほとんどないのなら、自分たちを過小評価していたことに気付けますよね。
佐藤氏: 目標を軌道修正するヒントを与えて、自分たちで考えるようサポートしているのですね。
遠香氏: 人が立てた目標と、自分たちが立てた目標だと、向き合うモチベーションが全く変わってきます。
私は、目標と理念は「両輪」だと思っていて。理念は、コーチの私からはっきりと示す。その理念を理解したうえで、部員たちで目標を立てる。ただ、いくら理念や自分を理解して目標を立てても、そのために最大限努力しても、「全国制覇」などの相手ありきの目標は達成できないこともよくあります。でも、向き合えば向き合った分だけ、理念は自分の中にちゃんと残るんです。
先ほどお話しした「魚の取り方」と同じで、自分で考えたら考えた分だけ、学校を卒業して私の手が離れた後にどんな環境に行っても、自律して生きていけるようになります。
(後編に続く)
記事の後編「組織に必要な『キャプテン』『リーダー』『フォロワー』――バスケ強豪校を30年率いた名監督の『強いチームの作り方』」(6月10日公開予定)では、具体的にチームメンバーがどのような役割を担うことで、組織として強くなれるのか。チーム作りに欠かせない視点を明らかにする。
この記事を読んだ方へ チームワークはこう作る!
ワークスタイル変革の第一線を走るサイボウズの青野慶久社長が「ITmedia デジタル戦略EXPO 2024 夏」に登壇。
「企業の成長」と「働きやすさ」をどう両立させるのか――多くの企業が、組織と従業員のベストな関係を探している。DXやコロナ禍を経てコミュニケーションの形も働き方もガラリと変わった今、“理想的な職場”を実現するカギとは?
「営業はしない」 「さらば青春の光」をヒットさせた敏腕マネジャーの仕事術
組織改革は「前任者の否定」から 中央大陸上部が低迷期→箱根駅伝2位を実現できたワケ
富士通の27歳エース社員、1年目で花形部署に異例のヘッドハント 信条は「3カ月で成果出す」
20代で「モンスト」開発部長に スピード出世を遂げたMIXIエースの「マネジメント論」
ソニー半導体「27歳営業リーダー」の仕事術 なぜストーリー作りを重視するのかCopyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング