サイボウズ青野社長が語る、「チームワークあふれる会社」の作り方
【開催期間】2024年7月9日(火)〜7月28日(日)
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【概要】「企業の成長」と「働きやすさ」をどう両立させるのか、DXやコロナ禍を経てコミュニケーションの形も働き方もガラリと変わった今、“理想的な職場”を実現するカギは何か――。ワークスタイル変革の第一線を走るサイボウズの青野慶久社長が語る。
働かないおじさん、管理職にならない若者……現代は、責任を負い、才能を育てるマネジャーへのイメージが著しく下落している。そんな中、不確実性が高い芸能界やアスリートの世界でも結果を残す名物マネジャーはどのようなことを意識してマネジメントを行っているのか――。多くのエンターテインメントビジネスのプロデュースを手掛けるFIREBUGの佐藤詳悟CEOが、今気になるマネジャーを訪ね、才能を発掘する方法、育てる方法、軌道にのった後のマネジメントの在り方を議論する。
吉本興業でナインティナイン、ロンドンブーツ1号2号、ロバートのマネジャーを務めた後、FIREBUGを立ち上げた佐藤詳悟氏。FIREBUGでは、才能を拡張させる“タレントエンパワーメントパートナー”として、多くのタレントのプロデュース戦略を手掛け、企業向けにはタレントを軸としたコンテンツを中心にマーケティングソリューションを提供している。
本連載では、マネジメントのプロである佐藤氏が、今会いたい“敏腕マネジャー”と対談し、メンバーのモチベーションを上げたり、才能を開花させたりするヒントを探っていく。
第6回目となる今回の対談相手は、女子バスケットの名門・東京成徳中学校・高等学校で長年指導者を勤めてきた遠香(おか)周平氏。何度もチームを表彰台に送り出し、日本代表チームなどで活躍するプロ選手を育成してきた。
若くてエネルギーにあふれている一方で、メンタル面でもスキル面でも発展途中の選手たちを、どのようにチームとしてまとめ、鼓舞してきたのだろうか。
佐藤詳悟氏(以下、佐藤氏): 遠香先生は、長年女子バスケットの指導をしてきたと聞いています。
遠香周平氏(以下、:遠香氏:): はい。大学院を卒業後に東京成徳中学校に入職してから、東京成徳中学校・高等学校で30年以上女子バスケットの指導者をしています。4年前に新コーチが就任してからは、私はアシスタントに専念していますが、それまでの約25年間は直接生徒たちを指導してきました。
私が勤める東京成徳中学校・高等学校は、歴史のある私立の中高一貫校です。特に高等学校は私が入職したときで40年以上の歴史があり、女子バスケット界では一目置かれる存在でした。しかし、当時は低迷期にあって、部員たちの士気も下がっていたんです。
私のミッションは、かつての名門校を復活させ、再び盛り上げること。そのためにまずは中学校で指導者をして、高等学校に優秀な選手を送り込もう、となったのです。
佐藤氏: 赴任してから、最初に何をしましたか?
遠香氏: 当時は理念がなかったので、まずはそこから考えましたね。
佐藤氏: なるほど、会社を創業する場合とさほど変わらないのですね。ただ、今でこそ「まず、理念を大事にしよう」「ミッション・ビジョン・バリューを定義しよう」と言われるようになりましたが、30年前にこの考えを持っている組織は、まだ少なかったのではないですか?
遠香氏: ほとんど聞かなかったですね。特に、部活でその考えを採用しているところはかなりめずらしかったはずです。
少し話しがそれるのですが、大学院在学中にも少しだけ東京成徳高等学校女子バスケチームの指導に関わっていました。スポーツって、本来楽しいはずのものじゃないですか。でも、当時の部員たちは、一生懸命練習はするけど楽しくなさそうなんですよね。過去に先輩たちが築いた実績に囚われて、自信を失っているように見えました。その様子を見て「みんなポテンシャルに溢れているのに、もったいないな」と思って。
私がコーチをするなら、まずはこの状況を変えたい。そのためには、過去や周りに左右されない、チームの軸になる考えが必要だと考え、理念を作ったのです。
佐藤氏: 僕が学生のときも、遠香先生のような方が指導をされていたらもっと部活が楽しかっただろうな(笑)。ちなみに、どんな理念をつくったのでしょうか。
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