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デジタル化の先に進めない日本企業 「RevOps」を阻む3つの壁とは?今すぐ取り組むべき、RevOpsのススメ(4/4 ページ)

» 2024年07月22日 15時00分 公開
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どう着手する? 最大のハードルは「人材・体制」

 前回と今回でRevOpsの重要性と難しさは伝わったかと思います。

 なお、日本でもSales Engagement Platformなど、組織横断でのデータをインプットに、顧客エンゲージメント(関係構築)を深める行動をアウトプットするテクノロジーが登場しており、RevOpsの実行がしやすい環境が徐々に形成されつつあります。

 一方、日本企業でRevOpsの実行に対し本格的に取り組めている企業は非常に少ないのが実情です。

 なぜなら、RevOpsの実行を支援するテクノロジーがいくら拡充しても、最大のハードルとなるのは「人材・体制」であるからです。

 人材面では、組織横断でのRevOpsを推進するための知見に加え、既存の組織・プロセス・テクノロジー・データのしがらみにも負けずに、中長期でマネジメントを完遂できる胆力のある人材が不可欠となりますが、そういった人材は極めて稀(まれ)と言えます。

 体制面では、日本企業ではRevOpsを担う組織横断の専門チーム(RevOpsチーム)が存在せず、錦の御旗を掲げる組織がマーケティングなのか営業なのか、一向に定まらない現実があります。

 この根深い問題の解決に向けては、新たなアプローチが生まれつつあります。

 昨今、米国で市場が急拡大しているBPaaS(Business Process as a Service、特定業務のビジネスプロセスそのものを外注できるサービス)やBPS(Business Prosses Services、特定業務においてDX戦略や人材戦略など、総合的に課題を解決するためのソリューション立案を外注するサービス)のように第三者という立場を生かし、「組織・プロセス・テクノロジー・データの再設計」「設計に基づく実装・統合」「オペレーションの代行(検証)・改善」を一気通貫で担ってくれるサービスを利用するアプローチです。

 BPSを利用することで、着手自体が困難なRevOpsの実行をクイックかつスモールに開始し、「RevOpsの実行範囲の拡大」と「社内のRevOps人材の育成」に同時並行で取り組むことが可能となります。

 こちらに関しては本連載の第3回にて、実際にRevOpsを導入した事例と、NTTデータ、NTTデータ・スマートソーシング、Magic Momentが3社合同でチャレンジしたPoC(Proof of Concept、概念実証)の成果をご紹介する予定です。

 そして、もう一つのアプローチはAIによる解決です。技術的な観点から実現までまだ少し時間はかかる上、データが適切に蓄積される環境を整える必要はありますが、AIは高度な専門知識が必要な業務や組織横断の取り組みであっても代替できるようになりつつあります。こちらは本連載の第4回で詳しく解説します。

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宮地 貴照 株式会社NTTデータ

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テクノロジーコンサルティング事業本部 デジタルサクセスコンサルティング事業部 部長

NTTデータ入社後、CRM/マーケティング分野を中心にデータ活用領域のコンサルティング、ビジネス開発に従事。主に、通信、保険、デジタルコンテンツ等の業種を担当。現在は、企業のデジタルテクノロジーを活用した顧客体験価値向上・変革を支援する「CXイノベーション」の企画と、さまざまな業界企業への展開をリード。

村尾 祐弥 株式会社Magic Moment

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中央大学法学部卒業後、2社を経てGoogle Japan、freeeで営業部門の統括及び責任者として事業成長を牽引。2017年にMagic Momentを立ち上げ、2018年9月より経営を本格化。累計資金調達額20億円(DCMベンチャーズ、DNX Ventures、三井物産、ほか)。LINEやUSEN、TOPPAN等、多くのエンタープライズ企業の営業変革を人・テクノロジー・オペレーションの全方向から支援。2021年にローンチした営業AI行動システム Magic Moment Playbook は、現在はエンタープライズ企業の生産性向上、LTV向上を非連続に実現している。


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