ラーメン業界が苦戦するなか、なぜ「油そば専門店」は成長しているのか(4/5 ページ)

» 2025年03月03日 12時40分 公開
[小林香織ITmedia]

2024年は過去最高売り上げを記録

 ぶらぶらでは、2017年頃から業績が伸び始め、売り上げが昨対比を超える状況がコロナ禍前まで続いていた。その後、コロナ禍明けから再び業績が上昇し、2024年の売り上げは前年比113%となり、過去最高を記録した。

ぶらぶら 渋谷店の様子。ランチや夜間に行列ができやすいという(高関食品提供、以下同)

 「渋谷道玄坂店と横浜本店の坪月商は80万円を超え、現在も好調が続いています。他店舗も40万〜50万円と全体的に高水準です。若年男性がメインですが、渋谷や新宿など都心の店舗は外国人のお客さまも2〜3割います。インフルエンサーの紹介や口コミをきっかけに来店する人が多いようです」(磯部氏)

プロモーションの一貫で提供した「GIGAマックス油そば」(8000円)

 油そばのトレンドによる来客増のほか、期間限定メニューやSNSマーケティング、地域ごとのプロモーション施策なども集客につながっていると磯辺氏は話す。

 「ぶらぶらでは、約3カ月ごとに発売する期間限定メニューや店舗限定メニューがあり、現場のアイデアを積極採用しています。激辛や大盛などはユーチューバーに動画の企画として食べていただき、YouTube経由で認知拡大や来店につなげています。

 地域ごとのプロモーションとして藤沢店と横浜本店で展開している『学割』も大変好調です。油そば(880円)に小ライスを付けて780円で提供しています。現在、トライアルとして藤沢店で毎週月曜日に『プレミアムランチパス』の配布も行っています。8月末までのランチタイムに特定のトッピングが1点無料になるもので、集客につながるか検証中です」(磯部氏)

 藤沢や平塚の店舗では学生が多く、何度もリピートする人もいることから、こうした施策が効果を発揮しているという。

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