「くら寿司の万博店」どんなところ? 世界の味が回る未来の舞台裏世界最長のレーンが登場(3/4 ページ)

» 2025年03月29日 08時00分 公開

開発期間は2年以上、70の国と地域の代表料理を提供

 もうひとつの目玉は、大阪・関西万博に参加する70の国と地域を代表する料理の提供だ。「回転ベルトは、世界を1つに」をコンセプトに、各国の味を楽しめる試みとなる。

 「世界中の人々が始まりも終わりもない回転ベルトの席について、ベルト上を流れる日本の寿司や世界各国の料理を楽しむことで、争いのない未来の世界を創出したいという思いを込めた」と岡本氏は狙いを説明する。

各国メニューの一部(筆者撮影)

 これらのメニューは、同社の商品開発部が2年以上をかけて開発。25カ国のメニューは、本場の味を知る各国の駐日大使らに試食してもらい、その意見やアドバイスをもとに改良を重ねた。このうち、パラグアイの「ポジョ・アサード」とリトアニアの「シャルティバルシチャイ」は、万博店限定で提供する。

「ポジョ・アサード」(筆者撮影)
「シャルティバルシチャイ」(筆者撮影)

 くら寿司の各店舗では、2月から1店舗ごとに1カ国の料理を先行販売している。これまでの人気ランキングを見ると、「マダガスカルのバニラパンケーキ」(マダガスカル産のバニラを使用)、「ペルーのセビーチェ」(生の魚介類を使ったマリネ)、「パラオ共和国のアホ」(ココナッツミルクを使ったスイーツ)が上位を占めているという。

 また、万博仕様の抗菌寿司カバー「鮮度くん」も登場する。2連になった鮮度くんの連結部分には、万博のイメージカラーである赤と青の手が握手するモチーフを採用。前方に各国の料理、後方に日本の寿司を配置し、世界の料理が一体となって回転ベルトを流れる様子を表現している。

2皿を握手でつなぐ万博仕様の「鮮度くん」(C)Expo 2025(筆者撮影)

 価格については、回転レーンに流れる商品は寿司が150円、各国料理が300円を基本とし、タッチパネルで注文する商品はさまざまな価格設定を予定している。「都心部のグローバル旗艦店と比べても、万博店の価格が特別に高いわけではない」と岡本氏は説明する。10月までの万博期間中は、状況に応じてメニューを入れ替えることも検討するという。

 この店舗を利用するには、万博の入場券が必要だ。予約なしでも利用できるが、通常の店舗と同様に予約システムを導入する。くら寿司の公式アプリでは、来店2週間前から予約できるようにした。

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