回転寿司が日本に初めて登場したのは、1970年の大阪万博だ。元禄寿司が出店し、多くの来場者を驚かせ、それが全国展開のきっかけとなった。それから半世紀以上を経て、回転寿司の市場規模は着実に拡大し、現在、国内市場は約8000億円規模にまで成長した。日本の外食産業を牽引する業態となっている。
「回転寿司というビジネスモデルは、味だけでなく楽しさも提供できる。それこそが回転寿司の本当の存在意義だ」(岡本氏)
くら寿司は現在、米国でも店舗を展開しているが、海外ではまだ回転寿司を知らない人も多いという。「寿司になじみのない海外の人も、世界の料理になじみのない日本の人も、回転ベルトで流れてくる料理がおいしそうと思えばすぐ手に取れる。日本を代表する寿司と世界各国の料理が一緒に流れる様子は、まさに万国博覧会を表現している」と岡本氏は語る。
さらに、各国の代表者から「『ぜひ一度、うちの国に進出してほしい』 という声も寄せられている」と、今回の万博出店が海外展開の新たな契機となる可能性も示唆した。
くら寿司は、1970年の大阪万博をきっかけに広まった回転寿司文化を、再び大阪で開催される万博を通じて世界に発信する。しかし、今回の万博には厳しい声も少なくない。そんな中で、寿司を通じて多様な文化やサステナビリティに目を向けてもらうことができるのか。回転レーンに乗せた挑戦の行方を見守りたい。
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