「ホワイトすぎるから辞めます」って本当? 若者の退職理由に潜む、もうひとつの意味スピン経済の歩き方(1/6 ページ)

» 2025年05月07日 12時30分 公開
[窪田順生ITmedia]

スピン経済の歩き方:

 日本ではあまり馴染みがないが、海外では政治家や企業が自分に有利な情報操作を行うことを「スピンコントロール」と呼ぶ。企業戦略には実はこの「スピン」という視点が欠かすことができない。

 本連載では、私たちが普段何気なく接している経済情報、企業のプロモーション、PRにいったいどのような狙いがあり、緻密な戦略があるのかという「スピン」をひも解いていきたい。

 「やっぱ労働環境の改善だけじゃなくて、成長が実感できるような職場じゃないと」

 「というよりも、最近の若者は家庭でも学校でも甘やかされて育ってきてるから、誰かにガツンと叱ってもらいたいんだって。本人のためにも適度にプレッシャーかけてやったほうが成長するんだよ」

 先日、マネジメント層の人々がSNS上でこのような議論で盛り上がった。以下の記事が注目を集めたからだ。

「ホワイトすぎる」ことを理由に辞める若手社員が増えている?(画像はイメージ)

 ご存じの方も多いだろうが、いま会社を辞める際に、こうした理由を告げる若手が増えている。2年半前にも以下のニュースが流れ、そのときも「労働環境と厳しさをどう両立すべきか」という論争になった。

  • 「ホワイトすぎる職場」去る若者急増 「ゆるいと感じる」背景に…“仕事の負荷低下”(テレ朝news 2022年12月19日、現在はリンク切れ)

 ただ、このときにも本連載で述べさせていただいたが、企業でマネジメントで関わる方たちは、「ホワイトすぎるので辞めますという若手が増えている」という話をそこまで真に受けないほうがいい。

       1|2|3|4|5|6 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.