会社員が転職を考える最大のきっかけは「給与や昇給ペースへの不満を感じたとき」だった。人的資本経営に関するソリューションを提供するBeatrust(東京都港区)が、会社員1000人を対象に実施した「転職が頭をよぎる瞬間」についての意識調査で分かった。
転職が頭をよぎる瞬間について、1位が「給与や昇給ペースへの不満」、2位が「上司や同僚との人間関係の悪化」、3位が「仕事に対するモチベーションの低下」だった。
社員の離職を防ぐには、企業側が適切な評価制度を整え、働きやすい職場環境を作ることが求められている。
転職を考えるきっかけ別に見ると、全ての世代で最も多い転職理由が「給与や昇給ペースへの不満」だった。特に20代では昇給の遅さに対する不満が強く、40代以降では安定した収入を求める傾向が目立った。
上司や同僚との人間関係の悪化については、特に30代から40代にかけて顕著だった。キャリアの中盤に差し掛かり、成果を上げるための職場環境や人間関係が重要となる。人間関係の悪化や労働条件への不満が、転職意欲を高める一因となっている。
仕事に対するモチベーションの低下については、特に30代後半から40代の社員に多くみられた。この年代は、仕事の意義や成長機会を求める傾向が高く、やりがいや新たな挑戦が得られない場合に転職を考えやすいようだ。
労働条件や福利厚生への不満については、20代と30代の若手社員が多かった。過度な残業や働き方の不均衡も不満の要因となっている。他社水準と比較した福利厚生の見直しや柔軟な働き方の導入が求められている。
企業の経営状況や将来性への不安については、40代から50代のキャリアを長期的に築きたい年代にとって、企業の安定性や将来性は重要な判断材料となる。経営方針やビジョンを定期的に発信し、透明性の高いコミュニケーションを取ることで社員の安心感や将来への信頼につながる。
家庭やライフスタイルの変化については、30代から50代で転職を考えるきっかけとなることが多い。育児や介護など、生活の変化に対応するために働き方を変えたいと考える社員が増えている。多様なライフステージに対応できる柔軟な働き方や制度の整備が求められる。
調査は、全国の22〜59歳までの会社員1000人を対象にインターネットで実施した。調査期間は、2025年2月6日。
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