これから日産もトヨタ(レクサスを含む)も、こうした電動スペシャリティカーを打ち出してくるかもしれない。スカイライン・ハイブリッドやRC300hは電動ではあるが、モーターという武器を燃費にしか使っていなかった。プレリュードのように新しい走りの価値観を提供するためには、駆動力はほぼモーターだけにする必要があるだろう。
クーペタイプのSUVも、スポーティーで新しいクルマを求める層にはウケたが、そろそろ賞味期限が切れてきた感もある。クルマが大きい割に荷物が積めず、スタイリング以外のメリットを感じにくくなってきたからだ。
しかし、電動で燃費が良いだけでは、ライバルがゴロゴロいる。プレリュードはソニー・ホンダモビリティのアフィーラ1に通じる、新たなモビリティの価値創造をしているのである。
アフィーラ1はEVで4ドアだけに、また異なる魅力、つまり価値観の提供が必要とされるだろう。移動中のエンタメを充実させる程度では、すぐにユーザーに飽きられてしまう。しかしSDVであれば、販売後もアップデートによりクルマに新たな魅力を盛り込める。
一方、クルマ本体は確実に老朽化していくので、周りの新型モデルに対して魅力を維持できるか、追加コストを容認してもらえるか、という課題は依然として残る。果たしてSDVは万能薬か諸刃の剣か。まずはプレリュードの売れ行きを見守ろう。
芝浦工業大学機械工学部卒。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員。これまで自動車雑誌数誌でメインライターを務め、テスターとして公道やサーキットでの試乗、レース参戦を経験。現在は日経Automotive、モーターファンイラストレーテッド、クラシックミニマガジンなど自動車雑誌のほか、Web媒体ではベストカーWeb、日経X TECH、ITmedia ビジネスオンライン、ビジネス+IT、MONOist、Responseなどに寄稿中。著書に「エコカー技術の最前線」(SBクリエイティブ社刊)、「メカニズム基礎講座パワートレーン編」(日経BP社刊)などがある。近著は「きちんと知りたい! 電気自動車用パワーユニットの必須知識」(日刊工業新聞社刊)、「ロードバイクの素材と構造の進化」(グランプリ出版刊)。
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