「ブラックサンダー」一本足打法の限界……突破口となる“至福”の新商品とは?地域経済の底力(5/5 ページ)

» 2025年09月30日 08時00分 公開
[伏見学ITmedia]
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生産能力を1.7倍に拡大した新工場

 この至福のバターをはじめ、ブラックサンダー商品を製造するのが豊橋夢工場だ。2024年12月に豊橋夢工場第2工場をオープン。これにより同社全体での生産能力が約1.7倍に拡大した。

 第2工場では、1日当たり70万本、年間で2億5000万本の製造が可能だ。この工場の特徴は、機械化によって人手による作業を6割ほど削減したことであり、生産能力が向上したこと以上に、コスト抑制効果が大きいとしている。

 さらに5月には、ブラックサンダー史上初となる工場見学施設「ブラックサンダー ワク ザクファクトリー」を開業した。これはブラックサンダー発売30周年を記念したプロジェクトの一環として実現したもので、週末や夏休みなどには多くの人々が訪れるという。

 第2工場に併設する直営店「ワクザクSHOP」も好調で、従来の売店と比べて売り上げは2倍に伸びた。目玉コンテンツは、3分間で詰め放題のブラックサンダーの袋詰め(1100円)だ。1個43円で計算した場合、26個以上で元が取れる計算だが、多くの客は40個前後詰めるそうだ。筆者も挑戦してみたが、詰められたのは30個。不器用さを露呈する結果となった。

3分間でブラックサンダーが詰め放題(筆者撮影)

 ファクトリーでは、生産プロセスが一通り見学できるようになっている。今までもテレビ番組などでブラックサンダーの製造工程は紹介されてきたが、一般公開は今回が初めてだ。

案内図(筆者撮影)
ブラックサンダーの巨大な模型がワク ザクファクトリーの入り口になっている(筆者撮影)
見学通路の様子(筆者撮影)
ロボットなどの導入によって大幅に生産効率を高めている(筆者撮影)
工場見学通路は全長約71.5メートルで、各製造工程を見ることができる(筆者撮影)

 ブラックサンダーなどの商品の改善はもちろん、ファン作りにも力を入れる有楽製菓。今後もその挑戦から目が離せない。

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