ヨーカ堂の“負け癖”断ち切れるか 復活支える「潤沢な投資余力」も小売・流通アナリストの視点(3/4 ページ)

» 2025年10月02日 08時00分 公開
[中井彰人ITmedia]

ヨーカ堂とベニマルの出店のすみ分けがカギ

 ヨークHDがどのような成長戦略を描くかは、来年2月の発表を待たなければ分からない。ただ、この10年のパワーバランスの変化を踏まえれば、ヨーカ堂は展開エリアをレールサイド(公共交通中心のエリア)にシフトすべきだろう。首都圏でいえば、主に国道16号線の内側がそのエリアに該当する。

 一方、国道16号線の外側(ロードサイド)は車社会で、消費者が自由に移動できる分、競争が激しくなりやすいことに加え、郊外は出店余地が多く参入もしやすい。

 もしそのエリアに出店するとなれば、国内有数の競合であるヤオコー、ベルク、ベイシア、さらに郊外で勢いのあるオーケーやロピアと直接競合することになる。現状のヨーカ堂がそこで勝ち抜ける可能性は高くないだろう。

ヨークベニマル(出典:ヨークHDの公式Webサイト)

 そのため、群馬や埼玉といった地方のロードサイドには、同業態に強みを持つベニマルが出店していく計画となっている。

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