企業のSNS活用において、フォロワー数を重視する風潮はまだまだ根強く残っています。しかし「フォロワーが増えれば、その分だけ情報を届けられる」という前提が崩れていることに、どれほどの企業が気付いているでしょうか。
ホットリンクが国内企業のX公式アカウントを対象に実施した調査(※)では、フォロワーへの想定表示率の平均は7.94%にとどまりました。
※参考:ホットリンクが実施した国内企業11社のX公式アカウントを対象とした独自調査より。Meltwaterのソーシャルリスニングツール「エクスプロア」を活用
毎日試行錯誤して投稿を続けても、フォロワーの「10人に1人」にも届かない。キャンペーンを打てば一時的に話題になるが、終われば忘れられてしまう。かといって、広告を止めれば流入もゼロに戻る。このような状況に悩むマーケターは少なくないでしょう。
本記事では、SNSを取り巻く3つの構造変化と、SNS施策を通じて認知資産を積み上げる「投資の発想」について、ホットリンク執行役員COOの増岡宏紀が解説します。
2016年入社以来、企業のSNS戦略立案や運用支援、プロモーション設計に従事。営業・マーケDXPO、宣伝会議サミット、アドタイデイズ、ライフスタイル Weekなどで登壇。2025年12月『コミュニティマーケティングは「巨人の肩」に乗れ 〜UGCと指名検索が増え続けるSNS活用の新常識〜』(日経BP)を発売。
かつてのSNSでは、フォロワーを増やすことで自然と認知が広がり、ブランドへの認知・関心が蓄積されていく環境がありました。しかし現在は、次のような変化が重なり、これまでと同じ方法で投稿・施策を続けるだけでは認知が蓄積されにくくなっています。
現在、XやInstagramなどの主要SNSは「AIが選んだおすすめ投稿を見る場所」へと変化し、すっかり定着しました。これを、私たちはSNSのレコメンドメディア化と呼んでいます。フォロー・フォロワーの関係を通じた情報の波及が機能しにくくなり、投稿しても、その内容がフォロワーのタイムラインに表示される保証はありません。
先述した調査によると、直近30投稿(キャンペーン投稿を除く)のインプレッション数を分析した結果、想定フォロワー表示率の平均は7.94%でした。フォロワーが100万人を超えるアカウントでも、想定フォロワー表示率が4〜13%にとどまる事例が確認されており、フォロワー数にかかわらず「投稿がフォロワーに届く」という前提が成立しにくい状態だと分かります。
対象アカウント:国内企業のX公式アカウント11社。分析対象:2026年2月9日時点の直近30投稿(キャンペーン投稿を除く)。算出方法:Xではフォロワーへの表示数とフォロワー外への表示数を分けて計測できないため、インプレッション数をフォロワーへの表示数として試算。想定フォロワー表示率=インプレッション数÷フォロワー数(提供:ホットリンク、以下同)また、Xでは平仮名を含む投稿が一日当たり4000万件以上発信されていると分かりました(2026年2月7〜13日の1週間では約2億9159万件)。
SNS上のコンテンツは爆発的に増え続けており、ユーザーのタイムラインは常に飽和状態にあります。投稿しても埋もれやすく、一瞬でスクロールされてしまうような「コンテンツの大渋滞」が起きています。
(2)の情報爆発を加速させているのが、AIの台頭により、誰もが簡単にコンテンツを作れるようになったことです。なかでも、個人による発信が爆発的に増えています。企業は個人の発信者と同じ土俵で戦わなければならない上に、競合となる個人の発信が急増しているという二重の困難に直面しています。
Geminiを業務で使いこなす! Google Cloudが指南する「プロンプト入力」4つのポイントは?
米Google幹部を直撃 年間「5兆回超」の検索は、AIでどう変わるか?
最初は衝突が絶えなかった──クレディセゾンCDOに聞く、エンジニアが徹底する“とある原則”とは?
DXの“押し付け”がハラスメントに!? クレディセゾンのデジタル人材育成を成功に導いた「三層構造」とは
Z世代がチャットで上司に求めること 「返信が早い」「指示の的確さ」を超えた1位とは?Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング