NECは4月24日、DX支援を軸とする価値創造モデル「BluStellar」(ブルーステラ)事業について「2030年までに売上収益1兆3000億円を目指す」と発表した。2025年5月に掲げた「将来的に売上収益1兆円」という目標を上方修正し、達成時期を明確にした。
同社の吉崎敏文副社長兼COO(最高執行責任者)は、同日の説明会で「これまで、BluStellar事業の見立てにおいてAIの影響を低く見積もっていました。しかし『すさまじいインパクト』『市場環境の激変』を入れなければならないと考え、満を持して十分な確証を持って発表しました」と説明した。
同社は、いかにして売上収益に3000億円を上積みしようとしているのか。
BluStellarは「顧客のDXを成功に導くための価値創造モデル」として2019年に始動した。業種や領域ごとに「BluStellar Scenario」(ブルーステラ シナリオ)と呼ばれる支援パッケージを作り、コンサルティングから技術支援まで一気通貫で支援してきた。
吉崎副社長は「BluStellarを『NECのDX変革の集大成』と扱ってきました」として、2026年度から「BluStellar 2」に切り替えると発表した。
BluStellarを「社会と顧客のAIトランスフォーメーション(AX)を加速するインテグレーター(推進装置)」という位置付けに変える。BluStellar 2は「AI変革移行期」を支える存在とし、その先に「AI変革定着期」における「BluStellar 3」を見据えている。
「AIによって新しい市場が生まれたことで、提供できる価値が拡大し、売上収益を増やせると考えています。またAI活用によって社内のコストを見直せるため、利益率も向上させられる見込みです」(吉崎副社長)
BluStellar事業で売上収益1兆3000億円を目指すため、BluStellar 2は主に3つのアップデートがあった。
1つ目は、ビジネスモデルの変革だ。約30あるBluStellar Scenarioの全てにAIの要素を取り入れてAX支援モデルに変える。NEC社内のAI活用で得た知見を基に、AIによる顧客の価値創出を支援するという。
2つ目は、AI活用を支えるテクノロジー群「AI Platform Service」の提供だ。AIエージェントアプリケーション、データ連携システム、AIインフラ管理ツール、クラウド基盤といった100以上の要素を用意。顧客の要望に応じて要素を組み替え、開発から運用までを担う。最小構成は月額30万円で提供する。
3つ目は、AXを支える人材の確保だ。NECグループのアビームコンサルティング社員を含む約1万人のコンサルタントがAXを支援する。さらに「NECグループ社員が全員AX人材へリスキルする」という目標を掲げ、独自の人材育成メニュー「BluStellar Academy」を社内外に展開する。
NECは、BluStellar事業において研究開発部門とビジネス部門を統合した。神奈川県川崎市に4月にオープンした新オフィス「NEC Innovation Park」(参考記事)でエンジニアとビジネスパーソンが物理的に同じビルで働くようにするなど、変革を加速させる体制を整えてきた。今後、その成果は実るか。
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