静かな退職と一口に言っても、その実態は一様ではない。本調査では、働く幸福度と主観的パフォーマンスの高低を掛け合わせ、静かな退職者を4つのタイプに分類している。
幸福度もパフォーマンスも高い「戦略型」は、自ら働き方をコントロールしながら成果を出している層だ。一方、幸福度もパフォーマンスも低い「無気力型」は、意欲を失い最低限の業務をこなすだけの状態にある。この無気力型が、2021年の29.3%から2026年には41.8%まで急増した。
戦略型(2.3ポイント減)や、パフォーマンスは高いが仕事への充実感は低い割り切り型(11.8ポイント減)が減少する中、静かな退職の内訳は「やる気を失った層」に偏り始めている。
行動面の変化は、学びにも及んでいる。勤務先以外での学習・自己啓発について「特に何も行っていない」と答えた正社員は53.6%に達し、過去最高を更新した。管理職への意向も16.6%と過去最低だ。厚生労働省の「能力開発基本調査」(2024年)でも、正社員の自己啓発実施率は45.3%にとどまっており、過半数が学んでいない構図は統計でも裏付けられている。
中俣氏は背景として、働き方改革の「副作用」を指摘する。残業は減った一方で、業績向上への圧力は変わらず、仕事の余白がなくなった。日々の業務をこなすだけで手一杯になり、チーム内の助け合いや一体感が薄れる「関係性の希薄化」が、学びや挑戦に向かうエネルギーを奪っているという見方だ。
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