こうした多彩な支援は、外国人労働者の定着に苦戦した経験を踏まえ、自社で改善を重ねる中で形になったものだ。
人手不足や沖縄観光のインバウンド需要の増加を受け、2015年ごろから外国人労働者の採用を始めた同社。その後、コロナ禍が収束するタイミングでさらに人材不足が深刻化し、2019年に始まった特定技能制度を活用した外国人労働者の採用にも着手した。
当初は外部の人材紹介会社を通じて採用しており、法定支援は行われていたものの、なかなか人材が定着しなかった。正司氏は「来日時の送迎や住民票の取得、部屋の案内などの法定支援が完了したら、あとは数カ月に1回、オンラインの定期面談で簡単なヒアリングをするだけという登録支援機関は多いです」と説明する。
言語の壁もある中、形式的な支援だけでは本人たちの本音を拾いきれない。結果的に、不満や孤立感が積み重なり、離職につながるケースが少なくなかった。
そこで2024年から採用と支援を内製化。現在、LIP3で提供するような研修、困り事の細かい聞き取り、スキルアップ支援などを充実させていった。すると、家庭の事情などを除く離職はほぼ解消された。紹介料や登録支援料、各種手続きの手数料など、初期費用だけで1人100万円ほどかかっていた採用コストも半減した。
「採用を内製化する場合、担当職員を配置する必要があり、その分コストがかかります。しかし、外国人労働者の早期離職のリスクを踏まえると、十分に見合う投資でした」と、正司氏は話す。同社全体の離職率は、宿泊業界の平均(18.1%)を大きく下回る約12%だという。給与のベースアップや福利厚生の充実に取り組み、組織体制の強化を図っている(参照:厚生労働省「令和6年雇用動向調査結果の概況」PDFより)。
現在、同社では約240人の従業員のうち約50人を外国人社員が占める。このうち、特定技能人材は13人に上る。
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