会員が20万人いるのに、なぜ口コミが増えなかったのか ドモホルンリンクルが“沈黙するファン”を動かした方法(4/6 ページ)

» 2026年06月04日 08時00分 公開
[小林香織ITmedia]

過去2回の失敗を得て、変えたこと

 過去2回の失敗の経緯を聞いていた田中氏は、コミュニティー運営にあたり「一緒に推し活を楽しむ」という方針を掲げた。そして、まずは共に盛り上げてくれる立ち上げメンバーを探すために、顧客に会いに行くことにした。これは、コミューンからの助言だったという。

 「交流会などに参加されていたロイヤルカスタマーの中から、他のお客さまの話をしっかり聞きつつ、ご自身の意見も述べられる方をピックアップして、全国に会いに行きました。対面でお話しする中で、『ぜひ一緒にやりたい』と言ってくださり、こちらとしても『ぜひお願いしたい』という方が8名見つかり、その方々をファーストクルー(初期メンバー)としてコミュニティーを開始しました」

 さらに「運営体制」も変えた。以前、顧客同士の言い合いが生まれた際は、社員の立場での介入が難しくクローズしてしまった。そこで、コミュニティーを健全に運営するための管理者の役割をコミューンに依頼し、商品や企業の思いを伝える役割を社員が担うようにすみ分けた。

ファンコミュニティの成果もあり、今では全国からファンが熊本本社のイベントに集うように(再春館製薬所提供)

 それからは、交流会やSNSなどでコミュニティーの参加を促すなどして、徐々にメンバーを増やしていった。交流会では「ドモコミュおもしろいから、ぜひ入って」と自ら参加を勧めてくれるメンバーもいる。さらに、共にブランドを成長させるアンバサダーも募集し、第1期の7人が活動中だ。

投稿に対して、豊富な絵文字でリアクションが付いていた(ドモコミュより)

 ドモコミュの様子を見ると、毎日活発に投稿がされており、投稿に対するリアクションも盛り上がっていた。絵文字が相当数あり、これはメンバーのリクエストによって誕生したものだという。

 「ドモコミュは、ドモホルンリンクルや再春館製薬所の理念や商品が好きな方が交流する場なので、あくまで趣旨に沿った活動をお願いしています。また、他人への攻撃や誹謗中傷をしないこともルールにしています。現在、本格開始から1年半ほど経過したところですが、『安心して推し活ができる』という感想が多く聞かれています」

 2025年4月には、熊本県の本社で大規模なリアルイベント「ドモホルンリンクル ファンフェスタ」を初開催した。熊本という立地柄、不安はあったというが、ドモコミュのメンバーをはじめ、全国各地や海外から約1000人が集まった。

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