「何度注意しても期限を守らない部下」が、翌日から進んで進捗報告を始めるようになった「声かけ」とは「キレイごとナシ」のマネジメント論(2/4 ページ)

» 2026年06月05日 08時00分 公開
[横山信弘ITmedia]

「進捗」の意味がそもそも分かっていない

 部長がある日、この部下に聞いた。

 「今の案件、進捗はどう?」

 すると部下はこう答えた。

 「えっと……頑張っています。なんとかなりそうです」

 これは「進捗」ではない。感想だ。

 進捗とは、目標に対して「現状」を踏まえたうえで「この先どうなりそうか」という見通しのこと。「頑張っています」という言葉には、どちらの情報も含まれていない。

 ここに根本的な問題がある。

 期限を守れない部下の多くは、「進捗を確認する」という行為の意味を正しく理解していない。現状とは「今この瞬間、どうなっているか」を示す客観的な事実。

 「売り上げは現在120万円」

 「全10工程のうち3工程が完了」

 といった数字や状態こそが現状だ。感想や印象は現状ではない。

 そして「現状」を確認せずに進捗だけを語ると、「おそらく大丈夫です」「なんとかなりそうです」といった希望的観測が入り込む。

 進捗報告の文化がない職場で育った若手ほど、この傾向が強い。

 「おそらく大丈夫って……。ちょうど中間地点なのに、まだ20%しか進んでないよ」

 このように指摘すると、

 「あ、そうですね……。申し訳ありません。急ぎます」

 と改める。

 「何かあれば報告する」という受け身の姿勢が染みついているため、正しく「現状確認」「現状分析」する癖がついていない。だから問題が表面化するまで黙って抱え込んでしまうのだ。

 現状も正しく確認しない。だから進捗も分からない。こうなると当然、上司に何を報告したらいいか分からなくなって当たり前である。

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