「何度注意しても期限を守らない部下」が、翌日から進んで進捗報告を始めるようになった「声かけ」とは「キレイごとナシ」のマネジメント論(4/4 ページ)

» 2026年06月05日 08時00分 公開
[横山信弘ITmedia]
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遅れていても「原因と対策」があれば大丈夫

 ここで重要なことを伝えておきたい。進捗が遅れていること自体は、大きな問題ではない。本当に問題なのは、

 「遅れていることを隠す」

 「遅れている原因が分かっていない」

 「対策を考えていない」

 この3つだ。この3つがそろった時、初めて深刻な事態になる。

 部長はこの部下にこう言った。

 「遅れていても、正直に言ってくれ。なぜ遅れているのかと、どうするつもりかを一緒に言えば、それで十分だ」

 この一言が、部下を大きく変えた。

 翌日から、この部下は主体的に進捗報告するようになった。

 「現状は全10工程のうち3工程まで完了しています。予定より2工程遅れています。原因は資料収集に時間がかかったためで、今日と明日で取り戻す予定です」

 つたないながらも、事実が含まれた報告だ。

 遅れていても報告していいんだ――。この安心感が、考え込むクセを減らした。進捗報告とは、上司に「できていること」を見せるためのものではない。現状を共有し、ギャップを一緒に直視するためのものだ。この認識が変わると、部下の報告のタイミングは劇的に変わるだろう。

「型」を教えることが、期限順守への近道だ

 期限を守れない部下に対して、多くのリーダーは「なぜ守れないんだ」と詰問してしまう。気持ちはわかる。

 しかし詰問では、部下は萎縮するだけで行動は変わらない。だから、

 「それなら、早く報告してほしい」

 と言えばいい。期限に間に合わなければ、報告すればいい、ということではなく、報告していると、期限に間に合うようになっていく――という風に受け止めるのだ。

 このような逆算思考はとても役立つ。

 成績の悪い営業ほど、

 「ネタがないから、お客様に会いにいけない」

 と口にするが、こんな思考を持っていると、当然お客様から相手にされないだろう。そうではなく、逆に考えるのだ。

 「お客様に会いに行くから、ネタが生まれる」と。これと同じなのである。

 「期限に間に合いそうにないから、報告ができない」

 ではなく、

 「報告することで、期限が間に合うようになる」

 ということだ。

 「期限を区切って、中間地点ごとに現状確認しよう」

 この一言が、報告できない部下の行動を変えるだろう。ぜひ試してもらいたい。

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