例えばラーメン二郎も、ビジネスの観点で考えたら究極なんです。お客さんが、近隣住民の迷惑にならないように静かに並んで、食べ終わったら器をカウンターの上に下げて、机を拭いて、椅子を戻して「ごちそうさまでした」と帰っていく。お店の営業を、客が率先して手伝っているんです。
――確かに、ラーメン二郎ではそれが「美徳」として定着しているようにも感じます。
これって広告会社で言うと、こちらが成果物をアウトプットした時に、クライアントの方から「データ分析やレポート作成は私の方でやっておきますね!」って自ら引き受けてくれるようなもの。ラーメン二郎はお客さんに仕事をさせているのに、お客さん側はむしろ喜んでいる。これこそ究極のビジネスですよね。
――なぜ、お客さんはそこまで自発的に動くのでしょうか。
まず、ラーメン二郎がうまいし、コスパがめちゃめちゃいい。そこを入り口にお店を好きになってファンになると、その空間や運営に自分が関われることがうれしくなるんです。
ラーメン二郎には「宣告人」というシステムがあります。閉店間際に「今日の行列はここで終わりです」と店員に言われた最後尾の客が、次に並ぼうとやってきた別のお客さんに「ここで終わりって言われちゃいました、すみません」って、なぜか店の代わりに謝ることもあるんですよ。
――ラーメン二郎での体験から、ファン作りやサービス設計の本質を見出しているんですね。
家系ラーメンからも学べます。食べに行った時に、高菜のトッピングがあったんです。高菜はおいしいし、ご飯にも合うし、ラーメンにも入れられるじゃないですか。ベースのラーメンが既に100点満点でおいしいのに、トッピングまでこだわって120点を追求していたんですよね。
それを見た時「俺はなんて浅はかな人間だったんだ」と反省しました。俺は80点くらいで満足しているのに、ここまで徹底して初めて、人に本当の感動を与えられるんだと気付かされました。
――100点のラーメンで満足せず、もう一工夫(高菜)を足して120点を目指していたんですね。
仕事もそうなんですよ。80%のクオリティーで形にはなったけれど、「うーん、この企画、まだ『高菜』がねえぞ」って考える。いいところまで来たけれど、人を感動させるための「高菜は何だ!?」って自問自答するわけ。
日々生きている中でたくさんの学びがあるんです。どうせ毎日ご飯は食べるじゃないですか。だったら色んな視点で見たほうがいい。ただの食事から、ビジネスを学ぶ。そういう意味ではタイパを超重視しているし、真面目なんですよね。
「AI」「タイパ」時代に、なぜ「殴り書きプレゼン」なのか プロ営業師・高山氏が実践する“逆張りの仕事術”
「ラーメン二郎の誘い方」に上司力がにじみ出る 部下が動く伝え方とはCopyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
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