なぜ、コンビニやサイゼに行くことが「ビジネス研修」なのか 仕事が面白くなる“観察力”の鍛え方おくりバント高山氏インタビュー3(3/4 ページ)

» 2026年06月17日 05時30分 公開
[米倉志保ITmedia]

ラーメン二郎は「究極のビジネス」

 例えばラーメン二郎も、ビジネスの観点で考えたら究極なんです。お客さんが、近隣住民の迷惑にならないように静かに並んで、食べ終わったら器をカウンターの上に下げて、机を拭いて、椅子を戻して「ごちそうさまでした」と帰っていく。お店の営業を、客が率先して手伝っているんです。

――確かに、ラーメン二郎ではそれが「美徳」として定着しているようにも感じます。

 これって広告会社で言うと、こちらが成果物をアウトプットした時に、クライアントの方から「データ分析やレポート作成は私の方でやっておきますね!」って自ら引き受けてくれるようなもの。ラーメン二郎はお客さんに仕事をさせているのに、お客さん側はむしろ喜んでいる。これこそ究極のビジネスですよね。

BaRプードルの店内

――なぜ、お客さんはそこまで自発的に動くのでしょうか。

 まず、ラーメン二郎がうまいし、コスパがめちゃめちゃいい。そこを入り口にお店を好きになってファンになると、その空間や運営に自分が関われることがうれしくなるんです。

 ラーメン二郎には「宣告人」というシステムがあります。閉店間際に「今日の行列はここで終わりです」と店員に言われた最後尾の客が、次に並ぼうとやってきた別のお客さんに「ここで終わりって言われちゃいました、すみません」って、なぜか店の代わりに謝ることもあるんですよ。

――ラーメン二郎での体験から、ファン作りやサービス設計の本質を見出しているんですね。

 家系ラーメンからも学べます。食べに行った時に、高菜のトッピングがあったんです。高菜はおいしいし、ご飯にも合うし、ラーメンにも入れられるじゃないですか。ベースのラーメンが既に100点満点でおいしいのに、トッピングまでこだわって120点を追求していたんですよね。

 それを見た時「俺はなんて浅はかな人間だったんだ」と反省しました。俺は80点くらいで満足しているのに、ここまで徹底して初めて、人に本当の感動を与えられるんだと気付かされました。

――100点のラーメンで満足せず、もう一工夫(高菜)を足して120点を目指していたんですね。

日々の食事を仕事に生かす

 仕事もそうなんですよ。80%のクオリティーで形にはなったけれど、「うーん、この企画、まだ『高菜』がねえぞ」って考える。いいところまで来たけれど、人を感動させるための「高菜は何だ!?」って自問自答するわけ。

 日々生きている中でたくさんの学びがあるんです。どうせ毎日ご飯は食べるじゃないですか。だったら色んな視点で見たほうがいい。ただの食事から、ビジネスを学ぶ。そういう意味ではタイパを超重視しているし、真面目なんですよね。

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