ITmedia デジタル戦略EXPO 2026 夏では、各分野の第一人者や企業の現場でビジネス変革に取り組むリーダーの声を通じて、経営×IT×現場のコラボレーションで全社変革を進めるヒントをお届けします。
AIを活用したデジタル戦略が必須となる中、ダイハツ工業や旭化成、NOT A HOTELなどビジネス変革に取り組む企業の「当事者の声」を通じて、現場のリアルな課題解決方法を探ります。視聴登録はこちらから。
転職によるキャリアアップが当たり前になる中、「ビッグステイ」が注目されつつある。同じ会社にとどまる労働者の年間賃金上昇率が、転職する労働者を上回る現象だ。
米国で先行して広がったこの動きは、日本でも起こりうるのか。なぜ今、あえて「とどまる」ことが予測されるのか。マイナビキャリアリサーチLabの主任研究員、関根貴広氏に聞いた。
ビッグステイは、2023年に米国の雇用サービス大手ADPのチーフエコノミストが提唱したとされる。背景にあるのが、転職で賃金が大きく上がる「転職プレミアム」の縮小だ。転職しても以前ほど賃金が上がらないのなら、現職にとどまるほうが合理的だ。
では、なぜ米国で転職プレミアムは縮んだのか。関根氏は、2つの動きが連続したと分析する。まず、コロナ後の巣ごもり需要で、GAFAMをはじめとする大手テック企業が2021年から22年にかけて採用を一気に拡大した。転職市場が過熱した結果、転職による賃金プレミアムは大きく広がった。
ところが、2022年後半になると、大手テック企業が大規模なレイオフに踏み切り、採用は急速に冷え込んだ。転職で得られる賃金の上乗せ幅は縮小する一方、レイオフを経て会社に残った中核人材には賃上げや処遇改善が続き、現職にとどまる合理性が高まった。
この2つは対立するものではなく、同じ流れの中で連続して起きた現象だ。米国のビッグステイは、賃金が高止まりして転職の旨味が消えたというより、労働市場の冷え込みが起点になっている。
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