100枚198円の「ばんそうこう市場」に30枚480円で参入 ケアリーヴが30年かけて市場トップになった理由(4/6 ページ)

» 2026年06月25日 07時30分 公開
[田窪綾ITmedia]

安売りはしない 「使えば分かる」をどう伝えるか

 ケアリーヴの価値はパッケージを見ただけでは伝わりにくく、実際に貼ってみて初めて実感できる部分が大きい。

 そこで同社が力を入れたのがサンプリングだ。ドラッグストアなどの小売店でサンプルを配布し、店員やパート従業員にも使ってもらった。すると、次に営業担当者が店を訪れた際、「このばんそうこう、よかったよ」と声をかけられることが増えたという。

 「小売店スタッフの方が実際に使って良さを理解してくださったことが大きかったと思います。お客さまにも勧めていただけるようになりました」と富田氏は話す。

 サンプリングは店頭にとどまらず、公園や富士山五合目、スポーツイベント、学校、子育て関連イベントなど、靴擦れや子どものけがなどが想定される場所でも実施。実際に消費者に手に取ってもらう機会を増やした。

財布の中にも入れて持ち歩けるよう、サンプルは薄くカードのようなサイズ感にしているという(画像:ニチバン提供)

 サンプルを大量に用意するにはコストがかかるため、社内では「そこまで必要なのか」という声もあったという。それでも営業現場からはサンプリングでの反応や再購入につながる手応えが多く報告されていたため、現在も販促施策として継続している。

 「ケアリーヴは、一度使っていただくと、また使っていただける商品です。だからこそ、まずは体験してもらうことが重要だと社内を説得しました」

 ラインアップも消費者の声を受けて拡充した。レギュラータイプに加え、防水や大判タイプ、指先用、円形、かかと用など、用途や貼る場所に合わせた商品を増やしていった。

 中でも転機となったのが、2012年3月に発売した湿潤療法タイプの「ケアリーヴ 治す力」だ。湿潤療法とは、傷口を乾かさず、浸出液を利用して治癒を促すキズケアのことだ。当時、この湿潤療法タイプのばんそうこうが市場のトレンドになりつつあり、同商品を投入したことでケアリーヴブランド全体の認知向上につながった。

「ケアリーヴ 治す力」の説明(画像:ニチバン公式Webサイトより)

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