ばんそうこう市場のトップを走るニチバンのケアリーヴ。だが、まだ課題はある。富田氏は「ばんそうこうと聞いたときに最初に思い浮かべてもらえるかどうか」だと言う。
SNS上では定期的に「ばんそうこうを何と呼ぶか」という話題が上がる。地域や世代によって、「バンドエイド」「カットバン」「リバテープ」「サビオ」など呼び方はさまざまだ。しかし、そこに「ケアリーヴ」と答える人はまだ多くないという。
「ケアリーヴという名前をもっと覚えていただきたいです」と富田氏は話す。販売実績ではトップになっても、一般名称のように想起されるブランドになるにはまだ道半ばだという認識だ。目下の課題は若年層との接点づくりだ。
ケアリーヴは30〜60代では高い支持を得ている一方、20代では相対的にシェアが小さいという。その対策として現在は、若い世代がばんそうこうを必要とする場面に合わせたサンプリングも進めている。
さらに、今後の成長領域として同社が見据えているのが海外展開だ。すでに台湾、韓国、タイなどで展開しており、中国市場への参入準備も進めている。海外ではばんそうこうがMサイズしかないという国も多く、日本のように貼る場所や用途に応じて形状やサイズを選べる提案には成長余地があるという。
「日本のばんそうこうの良さ、ケアリーヴのフィット感や使いやすさは、海外でも伝えられるのではないかと考えています」と富田氏は話す。
ばんそうこうは身近な消耗品であり、肌に直接貼る商品でもある。従来は価格で選ばれる商品だったが、貼り心地やはがしやすさ、傷を守るといった機能性に価値を感じる人が増え、商品の選び方が変わってきた。
1997年の発売から約30年。ケアリーヴは、短期間で一気に市場を獲得した商品ではないが、安売りをせず、価値を地道に伝え、売り場で選びやすくし、消費者の声に応えてラインアップを広げる工夫を続けてきた。今後は日用品としての定着から、指名されるブランドへの進化を目指す。
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