スピーチプライバシーシステムでは、この「被せる音」にヤマハらしい工夫が凝らされている。
ヤマハでは、老若男女、複数人の声をあらかじめサンプリングし、それを切り刻んだり逆再生したりすることで、それ自体は意味を持たないが、人が話しているような「情報マスキング音」というものを独自に作っている。これに森や川のせせらぎ、街の雑踏などといった環境音を組み合わせて流す。(※実際の音声は最終ページで確認できる)
「サウンドマスキング自体、決して『いい音』ではない。だからこそ、小さな音量でもしっかり効果を出し、不快感をできるだけ抑えることを目指した」
商品企画を担ったヤマハミュージックジャパンの金子勇さんは、こう説明する。
「それなら街中の雑踏を録音して流せば自作できるのでは?」
こうした疑問を投げかけられることもあるという。しかし、それでは雑踏の中の言葉や単語の意味そのものが気になってしまい、会話が阻害されてしまう。だからこそ「人の声らしさ」は残しつつも、言葉としての「意味」は持たせない。絶妙なバランスが、この技術の特徴だ。
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