伊藤氏がまず指摘するのは、SaaSの価値の置き場所が変わることだ。「UIのレイヤー(操作画面の使いやすさという表側の価値)は、なくなるわけではないが、かなり弱くなるのはほぼ確実」だという。
AIが人に代わって操作するようになれば、人がソフトウェアに直接入力する場面は減る。画面の使いやすさで選ばれてきたサービスほど、影響は大きい。
例えば会計SaaSの雄であるfreeeの強みは機能の網羅性ではなく、会計になじみのないユーザーでも入力しやすいUIにあった。それを武器に少人数の会社へ浸透し、高い単価を維持してきたのだ。しかし入力する人間がいなくなれば、その付加価値の根拠が薄れる。
「データを正しく記録する金庫」のような基幹システムである「SoR」(システム・オブ・レコード)を提供する企業であっても、UIの良さだけで高い料金を保ってきた会社は価格競争にさらされる、というのが伊藤氏の見立てだ。
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