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AIが破壊するIT業界の“人月商売” 「SIerの死」後に“生き残る者”の正体(3/6 ページ)

» 2026年07月08日 07時00分 公開
[斎藤健二,ITmedia]

「画面の使いやすさ」だけではもう売れない 入力者が消える時代の価格競争

 では画面の見やすさに頼らず、純粋に「データの金庫」としての機能を提供するSoR企業なら安泰かといえば、そうでもない「結局(業務の根幹である)ビジネスロジック(計算の仕組み)とセットでなければ意味がないんです」と伊藤氏は言う。

 例えばFinatextが手掛ける貸付サービスでは、顧客の年収が登録されると、法律にのっとって「いくら貸せるか」が常に計算され、記録される。年収のデータを持つこと自体は難しくない。価値があるのは、複雑なロジックで計算・転換された結果が100%の再現性でたまり続けることだ。「AIはあくまで確率論でしかない」。100%正しくなければならない計算は、AIには任せられない。

 このロジックをどれだけ豊富に持っているかが、そのまま参入障壁になる。金融の基幹システムは膨大なロジックの積み上げであり、数社の寡占状態にあるのが現状だ。膨大なビジネスロジックを網羅し、その正しさを証明できなければ参入できない。Finatext自身、証券領域で「5年かけてやっと一部の機能がそろってきた」段階だという。

 逆にいえば、今からSoRを作りロジック部分を開発しても、先行する大手に追い付くのはほぼ不可能で「すでに握っている者」が強いといえる。

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