では画面の見やすさに頼らず、純粋に「データの金庫」としての機能を提供するSoR企業なら安泰かといえば、そうでもない「結局(業務の根幹である)ビジネスロジック(計算の仕組み)とセットでなければ意味がないんです」と伊藤氏は言う。
例えばFinatextが手掛ける貸付サービスでは、顧客の年収が登録されると、法律にのっとって「いくら貸せるか」が常に計算され、記録される。年収のデータを持つこと自体は難しくない。価値があるのは、複雑なロジックで計算・転換された結果が100%の再現性でたまり続けることだ。「AIはあくまで確率論でしかない」。100%正しくなければならない計算は、AIには任せられない。
このロジックをどれだけ豊富に持っているかが、そのまま参入障壁になる。金融の基幹システムは膨大なロジックの積み上げであり、数社の寡占状態にあるのが現状だ。膨大なビジネスロジックを網羅し、その正しさを証明できなければ参入できない。Finatext自身、証券領域で「5年かけてやっと一部の機能がそろってきた」段階だという。
逆にいえば、今からSoRを作りロジック部分を開発しても、先行する大手に追い付くのはほぼ不可能で「すでに握っている者」が強いといえる。
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