Indeed Hiring Labのエコノミスト、青木雄介氏によると「プロダクト開発の延長線上にある職種としての性格が色濃い」と分析する。
具体的には、自社プロダクトのソリューションアーキテクチャ(どのようなITを組み合わせて課題を解決するか)の設計や、プロトタイプ開発などを担う役割が強く求められている。
そのため、FDEを採用している企業は、自社で強力なプロダクトを持つ大企業向けAI・データ基盤ベンダーに集中している。
また、新卒や未経験者がすぐに就ける職種ではない。FDEの総職歴年数の中央値は約7年で、FDE就任前には約5年の実務経験を積んでいるケースが多い。前職はソフトウェアエンジニアが最も多く、コンピュータサイエンスなどIT・データ系専攻の出身者が約半数を占めるなど、非テック領域からの転身は限定的となっている。
この流れは、日本にも波及するのだろうか。
Indeed Hiring Labの分析によると、日本でも2026年に入りFDEの求人が出始めており、想定年収の中央値は約900万円となっている。一方で、米国の大手ベンダーの動きとは異なり、日本では一部スタートアップなどが「FDE」という名称を先行して使い始めている傾向もうかがえる。
さらに、日本には固有の構造的な壁もある。日本企業は導入企業ごとにシステムをカスタマイズしたいというニーズが強い。そのため、米国のようにプロダクトベンダーのFDEが直接顧客を支援するのではなく、代理店やパートナー企業がシステム導入を担い、現場への実装を請け負う従来型のSIer構造になりやすい。
こうした背景を踏まえると、「FDE」という職種名が米国と同じ形で日本に定着するかは、現時点では不透明だ。ただし、生成AIを現場で実際に活用できる形へ落とし込む人材の需要は、今後も高まっていくとみられる。
ITmedia デジタル戦略EXPO 2026 夏では、各分野の第一人者や企業の現場でビジネス変革に取り組むリーダーの声を通じて、経営×IT×現場のコラボレーションで全社変革を進めるヒントをお届けします。
AIを活用したデジタル戦略が必須となる中、ダイハツ工業や旭化成、NOT A HOTELなどビジネス変革に取り組む企業の「当事者の声」を通じて、現場のリアルな課題解決方法を探ります。視聴登録はこちらから。
書類でよく見る「シヤチハタ不可」、シヤチハタ社長に「実際どう思ってますか?」と聞いたら意外すぎる答えが返ってきた
「あの時気付いていれば……」 モンスター社員を面接で見抜く、たった一つの重要質問
ニトリHDの時価総額半減……「36期成長神話」が崩壊した、これだけの理由
サンリオ株価、まさかの「ほぼ半値」に……なぜ? ジャパンIPに降りかかった災難の正体Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング