この記事は『出店戦略の最強技法 2000店舗を成功に導いたプロのメソッド』(石井昭人、日本能率協会マネジメントセンター)に掲載された内容に、編集を加えて転載したものです(無断転載禁止)。
多くの人は、立地探しを始めると、いきなり物件を探します。しかし、この順番ではうまくいきません。物件は最後に見るものだからです。
物件から見始めると、本来自分がやりたい商売に合ったマーケットかどうかを無視し、物件そのものに目を奪われてしまいます。それでは出店ではなく、ただの箱探しです。やりたいことが具体化されないまま、物件だけが候補になっていく。だからこそ、最初に見るべきは物件ではありません。
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店舗の開発では、最初に「場所」ではなく「エリア」を見ます。そしてそのエリアを、現地に行く前に一度「上から」読みます。 これが鳥瞰(ちょうかん、本記事では「トリカン」)です。
エリアは、感覚で見るものではありません。手順で読みます。一度で全部を見ようとすると、見ている対象が混在し、判断基準がぶれる。視点を分けることで、各ステップで「見るべきこと」が明確になる。
そのために用いるのが、鳥瞰(トリカン)・白図(ハクズ)・虫瞰(ムシカン)の3つの視点です。
この3つを順番に使うことで、場所は感覚ではなく、判断として見えるようになります。
鳥瞰でエリアを絞り、白図で構造を読み、虫瞰で現地を確かめる。この順番で見ていくことで、出店候補は自然と絞り込まれていきます。では、この手順を順番に見ていきます。
鳥瞰(トリカン)では、まず広い範囲を見て、どの街に焦点を当てるべきかを考えます。この地図は、そのために新宿を含む広域を並べて見た図です。この段階では、まだ対象エリアは決めません。ここから、実際に検討する価値のある街を残していきます。
ここでは、生活密着・日常利用型業態を前提に考えます。例えば、総菜店、ベーカリー、小型食品店、美容系、フィットネスなど、生活圏の中で繰り返し使われる店です。
こうした業態は、人が多い街ならどこでも成立するわけではありません。大切なのは、
この3つがそろって、はじめて現実的な出店候補になります。ここで考えるのは「一番大きい街はどこか」ではありません。「一番人が多い街はどこか」でもありません。
自分の商売にとって、現実的に検討する価値がある街はどこか。そこを見極めるのが、鳥瞰(トリカン)です。ここではまず、候補として残す街と、今回は外す街を分けます。その判断を、次のページでデータを使って確かめていきます。
都心の一等地でも、店は平気でつぶれるけど――繁盛店に共通する“立地”のヒミツ
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